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condition
「condition」と言えばまず「健康状態」や「周囲の環境・状況」といった意味がすぐに浮かぶと思いますが、TOEICで注意しなければならないのはまず「条件」の意味です。
契約などで合意するための「条件」がこの「condition」です。辞書(『collins cobuild』)ではこういう説明がされています。
A condition is something which must happen or be done in order for something else to be possible, especially when this is written into a contract or law
特に契約や法律において何かを可能にするためにしなければいけないこと、だというのですから、使用許可を与える際などにこれだけは守ってくれという「条件」を出すときに使われる、わけです。
僕が750点を超えるまで『ゴッドファーザー』と並んで使い倒した『羊たちの沈黙』の中でも「条件」の意味が出てきます。
That condition is nonnegotiable. You’ll answer me now. Do you accept that condition?
Dr. Lecter smiled to himself.
※smile to oneself独りで笑う、腹の中で笑う、
今伝えた条件に交渉の余地はないぞ。今ここで答えろ。この条件を受け入れるか?
レクターは腹のなかでひそかに笑った。
チルトンがレクターに対して上院議員との交渉を可能にする「条件」を出した場面です。レクターは「条件」を受け入れてこのあと物語が大きく動いていくことになります。
qualification
これも普通は試験をパスして得られる「資格」や「資格証明書」の意味がまず浮かぶと思います。
例えば能力などの「必要条件」という意味にもなったりもしますが「制限」や「条件」「但し書き」という意味もあり「without qualification」というふうにすると「付帯条件なし」という意味になります。辞書(『collins cobuild』)の説明はこうです。
If something is stated or accepted without qualification, it is stated or accepted as it is, without the need for any changes.
「accepted as it is」というのは「そのまま受け入れる」ということです。書いてあることに変更を加える必要がないから「付帯条件なし」というわけです。
この「without qualification」と同じ意味なのが「without reservation」です。
あの「booking」(=予約!)の意味をもつ「reservation」にも「条件」の意味があります。
reservation/without qualification=without reservation
「booking(予約!)」だけではなく頭に入れておきたいのが「疑い」「懸念」(=if you have reservations about something , you are not sure that it is entirely good or right.『collins cobuild』)という意味です。
僕の場合、「付帯条件なし」(without reservation=without qualification)という意味はこの「懸念」から連想して覚えるようにしました。
本当に正しいかどうかわからない(=you are not sure that it is entirely good or right)からあえて「条件」を付けておくという感じです。
この「reservation」に関しては以前も取り上げた『ゴッドファーザー』の文章が恰好の例文になります。
“Pete, you and Tessio, I want you to go along with me for a year without questioning and without reservations. At the end of that year, both of you can split off from the Corleone Family and be your own bosses,~
※split off from組織から分離、独立する
ピート。君とテッシオには一年間何も訊かずに、また何の条件もつけずに私と一緒にやってほしい。その期間が終われば二人ともファミリーから離れて自身をボスとすることができる~
ゴッドファーザーと呼ばれた先代に代わってボスになったマイケルがファミリーの幹部に対して1年間は何の条件も付けずに一緒にやってほしいと言っている場面です。
落ち目だと思われているコルレオーネファミリーは他の勢力から圧力をかけられています。
そうした状況なので不満や懸念はあると思うけれど、あえて「I want you to go along with me for a year without questioning and without reservations.」と言っているわけです。
とても緊迫した場面に覚えるべき単語が使われているという、私にとっては実に美味しい場面です。
term
TOEICでは「Terms and Conditions」=「契約条件」という形で本当によく目にする単語です。
そもそも「term」は「政治家の任期」とか「学校の学期」、それこそ「契約の期間」などという「限られた時間」を表すときによく使われますが「条件」というのも大事な意味の一つです。辞書(『collins cobuild』)の説明はこうなっています。
The terms of an agreement, treaty, or other arrangement are the conditions that must be accepted by the people involved in it.
「conditions」を使って説明しているのが確認できると思います。
「agreement」や「arrangement」という単語もTOEICではよく目にします。
「agreement」が「合意」「契約」「協定」、「treaty」が「条約」、「arrangement」が「取り決め」や「協定」ということです。
こういった両者の取り交わしのなかで書かれる「条件」を指すときに使われるのが「term」だということになります。
『ケインとアベル』という小説は銀行の頭取が一方の主人公なので、こういう契約にかかわる単語が頻繁に出てきます。「term」の例はこんな感じです。
“I don’t need fourteen days to make a decision,” said Abel finally. “I accept your client’s terms. Please thank him and tell him I will certainly respect his request for anonymity.”
※anonymity匿名
「2週間もいりませんよ」とアベルはようやく言った。「あなたの依頼人の条件をのみます。その方に感謝を伝えてください。それとご希望どおり決して正体を詮索しないと伝えてください」
アベルが「匿名」(出資者が誰なのか明かさない)という出資の条件を受け入れる場面です。
これもまた小説全体のキーになるような場面で、僕にとっておいしい場面です。
なお、「term」を使った熟語は多くあり、例えば「on equal terms」とすると「同じ条件で」という意味になります。
providing (providing that)=provided (provided that)~という条件で
文章の形で「条件」を示すときに使うのが「providing(providing that )」です。
これで「~という条件で」という意味になります。
注意点は「providing」という分詞の形で接続詞の役割を担う点です(後ろに「S+V」が入った文章がきます)。
「providing」 としても「providing that」としても一緒です。
また「provided」という形でも同じ役割になります。
つまり
providing (providing that)=provided (provided that)
となるということです。
辞書『collins cobuild』ではこういう説明がされています。
If you say that something will happen providing or providing that something else happens, you mean that the first thing will happen only if the second thing also happens.
まさに事の成立の「条件」をproviding以下に示すということになります。
『わたしを離さないで』(カズオイシグロ著)では「provided」が使われています。
We all knew no one would stop us if we wandered off, provided we were back by the day and the time we entered into Keffers’s ledgerbook.
ケファーズさんの帳面に記入した時間に戻ってくれば、例え周囲の土地を歩き回ったりしてもだれも何も言わないことはわかってしました。
周囲の土地を歩く回る「条件」が帳面に記入することだ、と言っているわけです。
「provide」と言えば「供給する」の意味のほかに「規定する」、「準備する」と意味がありますが、TOEICでは「providing/provided」となったときに注意が必要です。
string
「string」とすれば普通「ひも」とか「糸」が頭に浮かぶと思います。「一連のもの」とか「一続き」なんていう意味もあります。
音楽に詳しい人は先に「弦楽器」が浮かんだ人もいるかもしれません。
ただ、今回の流れで注意すべきなのは「no strings attached」や「no strings」という形で使われる「string」です。
辞書(『collins cobuild』)での説明を引用するとこうなっています。
If something is offered to you with no strings attached or with no strings, it is offered without any special conditions.
ここでも「condition」を使って説明されています。
どんな特別な条件もない(=it is offered without any special conditions)ことを指すわけですから「無条件」とするのがしっくりくるはずです。
僕が750点を取るまでに使い倒した『ゴッドファーザー』のなかにはこういうやり取りがあります。「pull strings」という別の重要表現も同時に使われています。
“If I took a job like that there couldn’t be any strings attached.”
Michael said coldly, “No strings. I just owe you and I want to even out.”
Lucy said gently, “Mike, don’t get sore.”
Michael smiled at her. “I’m not sore.”
He turned to Jules. “That was a dumb thing for you to say. The Corleone Family has pulled some strings for you. Do you think I’m so stupid I’d ask you to do things you’d hate to do?
「おれがその仕事に就くにしても何も条件はなしだぜ」
「条件は何もない」マイケルは冷たく言った。「君に借りがあるからそれを返したいだけだ」
「怒らないで。マイケル。」ルーシーがやさしく言った。
マイケルはルーシーに微笑みかけた。「怒ってないよ」
彼はジュールスのほうに向きなおった「それにしても君はバカなことを言ったもんだな。コルレオーネファミリーは君のために裏でいろいろと動いたんだ。君がしたくないことを押し付けるほど僕がばかだと思うのか?」
「any strings attached」となったり「No strings」となったりしていますが、どちらも結局は「条件がない」ことを指しているわけです。
ちなみに「pull strings」というのは「裏で糸を引く」「裏から手を回す」といった意味になります。
日本語でも「ひも付き」というと「金銭を受けとるさいの条件」ということも意味するので、「no strings attached」は頭に入れやすいと思います。
「pull strings」は「裏を糸を引く」ですから、これもまた「ひも」を意識すればわかりやすいはずです。
補足-deed
「条件」とは関係ありませんが「deed」という単語も補足として取り上げておきます。
「行為」とか「行い」という意味があり「act」が同義語になります。
そのままこの「deed」の同義語は何かと問う問題が『公式問題集』で出題されたことがあります(もちろん「act」が正解です)。
ただ今回の「条件」のからみで言うと、「正式に捺印した権利証書」「譲渡証書」というのが注意しておきたい意味になります。
主人公の職業がそれぞれ銀行の頭取とホテルの経営者である『ケインとアベル』にはこの「deed」も複数回登場します。そのうちの一つがこれです。
“Most people who are affected by the crash have only pieces of paper to cover their loans, but in my case the bank who backed me has the deeds on the eleven hotels as security against their original loan.
大暴落の影響を受けた人のほとんどは借金の補填に紙切れしか持ち合わせがないが、私の場合私に融資をしてくれた銀行が最初の融資の担保として十一のホテルの権利書を持っているよ。
土地やビルなどの権利書としてよく使われるのが「deed」です。
かなり難易度が高い単語ですが「行い」以外にも目を向けてみてください。
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今回は「条件」の意味を持っている単語を集めてみました。
TOEICでは大抵どんな契約でも「条件」が付きます。
基本単語はきっちりおさえておきましょう!