
私がしてきた勉強方法については「半年でTOEIC350点アップ! TOEIC900点取得者が実践している勉強方法はこれ!」の中で詳しく書いていますが、今日はちょっとその補足をしておきたいと思います。単語集を機械的にめくっても全然頭に入ってこない、という経験を持つ方に「効く」内容になっていると思います。覚えておいて損のない単語も併せて紹介しました!
単語を覚えるのに必要なのは辞書と「場面」

前に「field」って単語を紹介したのを覚えている?

「分野」とか「野球の外野」とか「畑」とか日本語の「フィールド」でイメージできる単語ではありましたよね。

そうだけど、面白い意味があってそれがTOEICに出るって話もしただろ?

「実地の」とかそういう意味が大事だったと思いますけど。

それも大切な意味だけど、村上春樹の『1973年のピンボール』から引用した意味があっただろ?

「さばく」って意味でしたね。

そう。「It was the end of winter when I fielded her last phone call. 」って文章を引用しただろ? これ日本語の原文はどんなだった?

電話を他人に取り次ぐってことを描写していたと思いますけど。

「僕が最後に彼女への電話を受けたのはその冬の終わりだった」というのが原文だな。このかかってきた電話をうまく他人に取り次ぐっていうのは、どういう状況で使われているか覚えている?

それは、「僕」が学生のときに住んでいたアパートでの出来事を書いた文章ですよね。電話がアパートに1台しかなくて、それをみんなで共有しているっていう話でした。確か管理人室の前に電話が置いてあって、かかってきた電話に誰かが出なければいけないシステムになっている、ということだったと思います。

昔の寮とかによくあった形だな。電話に出て、相手に取り次ぐっていう管理人の役割を「僕」がやらなければならなかったわけだ。

電話がかかってくる→かかってきた相手に取り次ぐ、というのを指して「field」としているということでしたね。

そういう、一連の行為を「field」という単語を使ってすごくよく表していたわけだな。こういう「field」が持つ言葉の感触っていうのをこの短い文章の中で確認できるようになっていると思う。それは、単語帳をめくって「field」→「うまくさばく」なんていう風になっているものに目を通すだけでは絶対に得られない体験のはずだ。

英英辞典の使い方を紹介した回で単語は『collins cobuild』で調べてその中心になる意味を頭に入れるのが一番効率がいいっていう話をしましたよね。その中心を取るときに場面も使えそうだ、という話にもなってくるわけですか?

そう。急がば回れじゃないけど、単語集を機械的にめくることでは得られないその単語の感触が「場面」に落とすことで得られるってことだな。そういう風にして得た感触っていうのは絶対に忘れない。それが自分の人生に影響を与えた「場面」に幸運にも使われていたらなおさらだ。

このブログでは何度も何度も強調してきたところですね。

「場面」でその感触ごとわかっている単語や熟語を増やすことが一番大切だということだよ。「どんな問題集を使えばいいですか?」っていう質問を多くもらうのでそれより、強調したいのはこういうことなんだ、ともう一度触れておきたかったということだな。900点を超えたときに使っていた問題集は下にリンクを張ったのでその記事からひろってほしい。
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例えば「deliberation」はこんな場面に落としています

実例を「field」のほかにも紹介してみよう。例えば「deliberation」という単語だな。

「熟考」とか「慎重さ」とかそんな感じですよね?

そう。ただ「deliberation」の感触というのは『ゴットファーザー』の場面で拾ってしまえば一発だ。ちょっと引用してみよう。
They did so with frightening deliberation, as if they had all the time in the world.They did not throw punches in flurries but in timed, slow-motion sequences that carried the full weight of their massive bodies.
時間などいくらでもあるといった調子で、念入りに料理にかかっていた。滅多やたらにぶん殴るのではなく、タイミングを計り、ゆっくりしたモーションから全体重をかけてパンチを繰り出すのだ。
※frightening恐ろしいほどの
※have all the time in the world.(~するためには)時間がたっぷりある
※flurry疾風、突風、にわか雪[雨]

これは、若い男二人をマフィアの構成員が痛めつけているという、結構物騒な場面だな。映画の『ゴッドファーザー』の冒頭で娘を暴行された葬儀屋がドン・コルレオーネに敵を討ってくれるように依頼している場面があるけど、その依頼をまさに実行している場面だ。「deliberation」っていう単語の感触がすごくよく出ていると思う。

この「deliberation」は「ゆっくり」とか「慎重」なんて感じになるわけですよね。

そう。日本語訳の「滅多やたらにぶん殴るのではなく、タイミングを計り、ゆっくりしたモーションから全体重をかけてパンチを繰り出すのだ」というところで「deliberation」の意味を解説してくれているんだな。ここでは若者を懲らしめるためにやたらめったらにぶん殴るのではなくて恐怖を刷り込ませるように「ゆっくりと注意して(慎重に)」パンチを繰り出す必要があるってことだ。

まさに「deliberation」で「ゆっくりと注意して(慎重に)」という意味になるわけですか。

そう。辞書(『collins cobuild』)を引いてみるとこうなっている。
If you say or do something with deliberation, you do it slowly and carefully.

「with deliberation」の形でゆっくり注意して、つまり「慎重にする」ことだというのが説明ですね。

そう。ほかにも「deliberation」には「Deliberation is the long and careful consideration of a subject.」という意味があるけどこれはどんな意味になる?

「熟考」ってことですね。

この『ゴッドファーザー』の場面でその感触をつかんでおけば「熟考」だってすぐに出てくるはずだ。

ゆっくり注意して考えれば「熟考」になりますね。

そういうことだな。それから「deliberation」と親戚の「deliberate」(形容詞/動詞)ってどんな意味?TOEICで出る重要な意味があったと思うけど。

形容詞では「故意に」って感じですよね。

「(偶然の要素を排して)ゆっくり慎重に」→「(偶然ではなく)わざと」という風に覚えられてしまう単語だと思う。「deliberate」の副詞の形「deliberately」だって一緒に覚えられるってことだな。

「deliberate」自体にも「ゆっくり慎重に」とか動詞になると「熟考する」という意味がありますね。

「熟考する」は辞書(『collins cobuild』)では「If you deliberate, you think about something carefully, especially before making a very important decision.」という説明になっているな。「大事な決断をする前に注意して考えること」だというのだからまさに「熟考する」だ。

同じ感触のなかで頭に入れられる単語だってことですね。

心に触れた場面を使うことは成人すぎての勉強では必須ということになると思う。
ポイント!
deliberation→熟考すること、慎重さ
deliberate→故意に、熟考する
deliberation→熟考すること、慎重さ
deliberate→故意に、熟考する
「paralyzed」はこうやって覚えています

それからもう一つ「paralyzed」なんていうのも紹介しておこう。これも『ゴッドファーザー』に出てくる単語だ。障害を持っている人のオリンピックを指して「パラリンピック」っていうけど「パラリンピック」の「パラ」は「paralyzed」から取ったものだな。
Very coolly. Very deliberately, Michael fired the next shot through the top of his white-haired skull.
Michael swung toward the man sitting against the wall. This man had not made a move. He seemed paralyzed.
とにかく冷静に、慎重に狙いを定め、マイケルは次の弾を白髪の警官の頭に撃ち込んだ。マイケルは壁際に座っている男のほうへ身体を向けた。この男は身動き一つしていなかった。麻痺してしまったようだった。

父親の後を継ぐことになるマイケルが交渉相手である麻薬の売人とそのボディーガードの警官を撃ち殺して、周りにいる人間に注意を向けた時の描写だな。目の前の殺人に呆然として動けなくなっている男の様子がそれこそ「paralyzed」という形容詞で端的に表されていると思う。

「paralyzed」っていうのは「障害を負っている」というような意味以外にこういう「動けなくなった状態」を指して使えるということなんですか。

そう。人や組織などが機能不全になってしまうという感じを指して「paralyzed」と使えるということだな。「paralyze」が動詞の形だけど「If a person, place, or organization is paralyzed by something, they become unable to act or function properly.」(『collins cobuild』)と説明されている。

人だと「行動がうまくできない」、機械だと「機能不全になる」という感じですね。

そういうことだな。「場面」で覚えるっていうのは単語を選択するときの確かな根拠になると思うんだな。

というと?

その場面をあらわす一番適切な言葉が考えずに出てくるようになるってことだよ。日本語の意味だけ考えるといろいろな選択が考えられるなかで、こういう場面ではこういう風にしか言わないっていうものが積み重なってくるわけだよ。

アウトプットするときのことを考えても、効いてくるということですか。

そう。今回の話は勉強方法の補足としてぜひ参考にしてほしい。

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●追伸

村上春樹の作品はエッセイも含めてほとんどが英訳されています。日本語自体も難しい言葉を使っていないため英語でも難しい表現がほとんど出てきません。もし作風に違和感がなければ勉強の素材として重宝するはずです。
今ちょうどdeliberationが覚えられなくて単語の成り立ちから覚えようとして検索したらこの記事を見つけました!小説の場面に落とし込んで覚えるの素敵ですね。紹介してくださりありがとうございました