今日はTOEICの「文法」を学ぶのに役立つ参考書、問題集を紹介したいと思います。TOEICはパート5と6に文法に関する問題が集中していて、46問が出題されます(パート5=30問、パート6=16問)。そのためここに出てくる文法問題を確実にとっておくことが得点アップの鍵になります。
私は2020年11月にTOEIC900点を突破しました(915点。その後935点になりました)。今日はまずそのときまでに使っていた本を、これは得点に結びついたな、という実感を基に順位づけをしてみました。
次にその本をTOEIC何点のときに使うのが有効か、という視点で紹介記事も書きました。よい本も使う時期を間違うと宝の持ち腐れになる可能性があります。あなたの現在地に従ってここから目を通していただいてももちろん効果があるはずです。
なお、ここでは解き方のテクニックを紹介するような本には触れていません。塗り絵をしてしまう(最後に適当に答えを埋めてしまう)ことが悩みで、速く読むテクニックが載っている本に手を出したことがある人もいると思います。
ただ、速く読めないのは、単に文法や単語を知らないからであって、処世術の問題ではありません。文法や単語の知識をいかに深めるかということに注力することだけが得点アップに直結します。ここに紹介した本を極めてあなたもぜひ900点を突破してください!

Contents
- 1 1位 TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問/TEX加藤著
- 2 2位 徹底例解ロイヤル英文法
- 3 3位 英文法がはじめからわかる本/江藤正明著
- 4 4位 公式TOEIC Listening&Reading問題集
- 5 5位 日本人なら必ず誤訳する英文(決定版)/越前敏弥著
- 6 6位 英文法、ネイティブが教えるとこうなります/デイビッド・セイン 森田修著
- 7 7位 TOEIC TEST900点特急パート5&6/加藤優著
- 8 8位 日本人の英語/マーク・ピーターセン著
- 9 TOEIC400点はこれ!
- 10 TOEIC500点はこれ!
- 11 TOEIC600点~800点はこれ!
- 12 TOEIC850点~900点はこれ!
1位 TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問/TEX加藤著
●一番良質なパート5(文法問題)の問題集!
●著者はTOEIC界隈で最も信頼できるTEX加藤さん
TOEICを日本一知っているTEX加藤さんの本です。TOEICの文法問題の構成がそのままこの本の構成になっています。つまり最も問題数が多い「品詞問題」に最もページがさかれていて次に「動詞問題」、「前置詞or接続詞問題」、「代名詞問題」、「前置詞問題」、「関係詞問題」、「ペア表現・語法・数・比較問題」と頻出順に続いています。最後に「模試」(30問×13セット)があり、腕試しができるようになっています。
私は850点になってからこの本を解きはじめ、すべての章を頭から2回解いたときにTOEIC900点を超えました。難しい問題も多く含まれるので、TOEIC500点前後の方はトレーニング問題と解き方だけを最初は繰り返してみてください。
対象レベル | 400点以上(実戦問題には超難問あり。最初は「解き方」の部分だけ目を通していくのがおすすめ) |
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掲載問題数 | 1049問 |
価格 | 2300円(税別) |
音声 | 正解文章の音声をダウンロード可 |
2位 徹底例解ロイヤル英文法
●「文法の辞書」はこれで決まりです!
●『出る1000問』とセットでの活用がベスト!
『でる1000問』の解説ではわかりにくかった部分や補足がほしいときの参考書として活用しました。文法書の辞典だと思って手元においておくのがおすすめです。この本は800点を超える前後で購入しました。
他にも『総合英語Evergreen』(『Forest』の後継本)や大西泰斗さんの『一億人の英文法』など良質な文法書はたくさんありますが、網羅性の点で一番この本が優れています。
またところどころでマーク・ピーターセン氏のものと思われるコラムがあり、この部分も非常に参考になります。姉妹本の『表現のための実践ロイヤル英文法』も一緒に買っておけば文法で腑に落ちないところはほぼなくなるはずです。
対象レベル | 400点以上 |
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出題数 | 非出題形式。文法に関する参考書 |
価格 | 1800円(税別) |
音声 | なし(『表現のための実践ロイヤル英文法』はCD付き) |
3位 英文法がはじめからわかる本/江藤正明著
●解説がわかりやすく網羅性もある入門書!
●中学・高校で習った文法をおさらいできます!
文法を基礎からやり直したい人はこの本が一番おすすめです。私はTOEICをはじめて受ける直前(結果は400点!)にこの本を買って文法の確認をしました。
難しい文法用語も、文法自体の説明もこれ以上ないほど噛み砕いて説明してくれます。また、取り上げている文法に偏りがない(網羅性がある)ので、中学・高校の文法をおさらいするのに適しています。ほかの本で躓いてしまった本はこの本を買いましょう。
対象レベル | TOEIC受験を考えている初学者 |
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出題数 | 非出題形式。文法に関する参考書 |
価格 | 1200円(税別) |
音声 | なし |
4位 公式TOEIC Listening&Reading問題集
●日本でTOEICを運営・実施をする協会が発行する文字通りの「公式本」
●点数を上げる一番の近道は『公式本』をやり込むこと!
3000円前後する高額の問題集ですがここで金をケチっているとまず点数は伸びません。公式問題集に書いてあることはすべてが本番の伏線です。これは私がTOEICを受けてきた実感として言えることです。『公式問題集』をやり込めば900点は必ず超えます。文法もまずは『公式問題集』からです!
対象レベル | TOEIC受験者全員 |
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掲載問題数 | 各200問(+サンプル問題。L&R200問×2セット) |
価格 | 3000円(税別。『問題集8』の値段。巻によって値段が違います。) |
音声 | 全文(リーディング部分の音声は『公式問題集5』以降のみダウンロード可) |
5位 日本人なら必ず誤訳する英文(決定版)/越前敏弥著
●文法がいつの間にか身につく魔法の本!
●問題を解きながら楽しく英語の勉強ができる!
誤訳しやすい英文が問題形式で並んでいてその後に解説が入る構成になっています。著者は『ダ・ヴィンチ・コード』やエラリー・クイーンの『厄災の町』などを訳した翻訳者です。
読んですぐにわかりますが「誤訳」の理由は文法がわからないからです。だからここに掲載されている英文を訳せるようになれば文法力が一気にあがります。一見TOEICとは関係ないのにも関わらず通読すると最も力が付く本です。暇つぶしのつもりで買った本が意外な堀り出し物となりました。
対象レベル | TOEIC600点以上 |
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掲載問題数 | 基礎編120問、難問編30問、超難問編10問、活用編30問 |
価格 | 1800円(税別) |
音声 | なし |
6位 英文法、ネイティブが教えるとこうなります/デイビッド・セイン 森田修著
●文法の素朴な疑問をこの本で解決できる!
●文法の入門書としてもおすすめ!
新書サイズの本です。問題集ではなく読み物ですが、TOEICをこれから受けようという人から900点を狙うレベルの人まですべての人に参考になる文法の肝が解説されています。
「can」と「able to」の違いや「will」と「be going to」の違いといったあいまいになりがちなところをわかりやすく教えてくれます。「some」と「any」の説明はこの本が一番わかりやすいです。英文法が苦手という人はこの本を入門書としても活用してみてください。
対象レベル | TOEIC受験者全員 |
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掲載問題数 | 非問題形式。読み物 |
価格 | 740円(税別) |
音声 | なし |
●隙間の時間で文法を学びたければこれ!
『英文法、ネイティブがもっと教えます』は『英文法、ネイティブが教えるとこうなります』の姉妹本です。この2冊を読破すれば英語の微妙なニュアンスが面白いようにわかります。
『マンガでわかる前置詞』は前置詞の感覚を漫画で解説してくれる本です。こういう解説は大西泰斗さんが得意ですがこの本も負けていません。姉妹本として「動詞」「形容詞・副詞」「冠詞」「時制・仮定法」「英会話フレーズ」が出ています。ちなみに私はこの漫画シリーズをすべてキンドル版で買いました。
対象レベル | TOEIC受験者全員 |
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掲載問題数 | 非問題形式。読み物 |
価格 | 『英文法~』=740円(税別)/『マンガでわかる前置詞』=1300円(税別、単行本の場合) |
音声 | なし |

7位 TOEIC TEST900点特急パート5&6/加藤優著
●900点を狙うための仕上げの問題集!
●パート5&6の実力強化に最適!
私が870点を超えたときに持ち歩いていた新書サイズの問題集です。『出る1000問』で鍛えた文法力をより鍛えるのに適しています。
『出る1000問』もそうですが、TOEIC特有の「言葉遣い」が忠実に再現されているので答え以外の部分もしっかり復習しておくと点数アップにつながります。850点以上を持っている人におすすめです。
対象レベル | 850点以上 |
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出題数 | 138問(15問(パート5)+8問(パート6)=23×6) |
価格 | 840円(税別) |
音声 | 全文ダウンロード可 |
●900点前後の人が躓くポイントを網羅!
●パート5の仕上げはこれで決まり!
900点前後の人が躓く文法問題だけを厳選してあります。『出る1000問』と同様箇所を突いている部分もあり精度の高い復習ができます。私はこの本を900点を取る直前に買って電車でよく解いていました。
文法の問題集はダブル加藤さん(加藤優さんとTEX加藤さん)の本が非常に質が高いです。
対象レベル | 850点以上 |
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出題数 | 145問 |
価格 | 760円(税別) |
音声 | 全文ダウンロード可 |
8位 日本人の英語/マーク・ピーターセン著
●日本人ではない人が書いた日本語の最高峰!
●曖昧なところがまったくない英文法の解説!
私が英語関係の読み物として読んだもののなかで最も面白かった本です。日本語を母国語としない人の文章では私の場合ドナルド・キーン(文芸評論家)が書いたものをすぐに頭に浮かべます。
ただ英語自体を題材にした本としては、これ以上のものを知りません。私は仕事の本も含めて年間300冊以上読みますが2020年に読んだ本の中では断トツで一番でした(出版自体は1988年です)。
対象レベル | TOEIC400点以上 |
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出題数 | 非問題形式。読み物 |
価格 | 800円(税別) |
音声 | なし |

TOEIC400点はこれ!

まず私がはじめてTOEICを受ける直前に読んだのが『英文法がはじめからわかる本』です。
特徴はわかりやすさと網羅性です。
私は英語の勉強を社会人になってから再開したので、文法のどの部分が抜けているのかもわからない状態でした。だからこの本は非常に役に立ちました。
これを読んでくれている人の中には私と同様に文法のどの部分がわからないのかが、わかっていない、つまり自分の現在地がわからないという方も多いのではないかと思います。そういう人こそこの本が役に立ちます。
一応400点としましたが、これからTOEICを受けようとする人すべてが対象の本です。
TOEIC500点はこれ!

→→『英文法、ネイティブがもっと教えます』/デイビッド・セイン 森田修著
→→『ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞』
→→『日本人の英語』/マーク・ピーターセン著
→→『公式TOEIC Listening&Reading問題集』
TOEIC500点以上になれば、『英文法、ネイティブが教えるとこうなります』や『日本人の英語』などの読み物を英語勉強の合間に読めばとても参考になるはずです。
私はこの2冊を850点を超えてから初めて読みましたが、読了後にもっと早く読んでいれば文法の点数は確実にあがったのに! と本気で思いました。
前置詞の感覚も『ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞』で仕入れておくのがおすすめです。なにしろマンガで読めるので肩がこりません。
『公式TOEIC Listening&Reading問題集』をこなしさえすれば900点は必ず超えます。早めになじんでおくのが肝心です。
TOEIC600点~800点はこれ!

『でる1000問』は600点ぐらいの方には難しい問題がかなりあります。なのではじめは解き方の部分とトレーニング問題を繰り返して、その後「発展問題」に進んでいくのがいいと思います。
800点が見えてきた段階でここに出てくる問題を往復すれば、一気に点があがるはずです。問題の文章の中にもTOEIC必須単語がこれでもか、と並んでいるのでその言葉の使い方に注意してみてください。
もちろん補助本は『徹底例解ロイヤル英文法』です。
TOEIC850点~900点はこれ!

常に携帯して空き時間に解く癖をつければ、850点から一気にジャンプアップできるはずです。なお難易度が高い問題ばかりですからあくまで最後の仕上げとして活用してください。
『日本人なら必ず誤訳する英文(決定版)』に関してはTOEIC600点ぐらいあれば十分に読めます。通読したあとは恐ろしく文法の足腰が強くなっていることを実感できるはずです。