
こんにちは高橋です。今回は「snow」という単語を取り上げてみました。「雪」の「snow」ですが、ここにも意外な意味が隠されています。あの自撮りアプリの「snow」はその性質からして、こういう語源なら説得力がある、というのも勝手に想像してみました。「snow」という単語の「雪」以外の面白いとは?
snow=だまして~させる

「snow」っていうアプリが今流行っているんだろ?

よくは、知らないです。十代の子の間で流行っているんでしょ?

おっさん二人で話しているとそのあたりが悲しいところだな。流行っているらしいっていうのがなんとも。そもそもお前に聞いたのが間違いだよな。

その「snow」がなんだっていうんですか?

一応英語のブログだから、今日は「snow」っていう単語を取り上げてみようと思っているんだよ。

ええ。でもそのアプリの「snow」を取り上げるわけじゃないですよね。

英語の「snow」ってどういう意味?

どういう意味ってそりゃ「雪」に決まっているじゃないですか。

あのアプリって自撮りをすぐに加工できるんだろ?

だからやったことないですけど、そうなんじゃないですか。

まず紹介しようと思った「snow」っていうのは、「雪」ではないんだな。「snow」と綴って「雪」とは違う意味になるわけだけど、たまたまネットで知ったアプリの「snow」とうまくつながるんじゃないかと思ってさ。

どういうことですか?

雪以外の「snow」っていうのはこういう意味なんだな。ちょっと見てみよう。今日は村上龍の『69』の英訳からだ。
Being a grind by nature, once he got interested in something he really delved into it. Not long before, it would have been easy to snow him on something like this, but it was getting a lot harder.
※grindすり砕くなど、この場合は骨を折ってこつこつ勉強をする
※delve 徹底的に調べる
根が勤勉なのでその気になると着実に学習するのだ。以前だったら簡単にごまかせたのに、やりにくくなった。

「snow」をどういう風に使っている?

「it would have been easy to snow him on something like this」で「こういうことでは簡単にごまかせた」っていうことになるわけですよね。「snow」で「ごまかす」ということですか?

「snow」で「だまして~させる」とか「信じ込ませる」なんていう意味になる。以前は主人公の「僕」が友人のアダマに対して知識で圧倒していたのに、最近はアダマの読書量が増えてきてごまかしが通用しなくなったと語っている場面なんだな。

「雪」以外でそういう意味があるっていうのはなかなか出てこないでしょうけど、さっきのアプリとどう関係するんですか?

関係したら少しは面白いと思ったから話したんだけど、その前にいつものように辞書(Collins cobuild)にも一応聞いておこう。
If someone snows you, they persuade you to do something or convince you of something by flattering or deceiving you.

「flattering」っていうのは?

「大袈裟にほめる」とか「おべっかを使う」という感じだな。「deceiving」っていうのは「だます」ってことだ。

「だましたり、大袈裟にほめたりして説得したり、何かをするように仕向けたりする」ってことですか。

そう。「snow」って自撮りした写真を加工してくれるわけだろ?

「雪」ではなくてこっちのほうを語源とするとハマると?

どっちかといえば、そうなると思う。ごまかしているわけだろ。まあ少なくともこういう意味の「snow」を語源としていない、ことは確かだとは言えるな。
snowed under=仕事に忙殺されている

「snow」というのは面白い単語で「だまして~させる」、「信じ込ませる」以外にもすぐに口に出して言いたくなる意味があるからこれも紹介してみよう。『ゴッドファーザー』からだ。
We’ll do our best but if they use a real snowbird and he gets caught, we won’t lift a finger. We’ll just tell them nothing can be done.
最善を尽くしはするが、彼らが麻薬の常習者を使ってその男が逮捕されたとしても、指一本動かすつもりはない。どうにもならないと伝えるほかないだろう。

すぐに口に出したくなるなんて言っていると怒られますよ。

「snowbird」ってなっているけど、どんな意味?

「麻薬の常習者」ですよね。

「コカイン常習者」を指すことが多いようだけどな。「snow」単体でも「粉末のコカイン」とか「ヘロイン」を指して使うことがある。

こういうの好きですよね。本当に。オバマの自伝を紹介したときもそうでしたけど。

これ、どういうところから来ている意味?

白い粉からじゃないですか。

そこしかないな。

聞かなくてもいいことだと思うけど。

ちゃんとほかにも用意しているよ。「snow」が入ったより健全な意味があるから紹介しよう。これは雪の「白さ」ではなくて、「重さ」に由来するものだな。辞書から引っ張ってみた。
If you say that you are snowed under, you are emphasizing that you have a lot of work or other things to deal with.

「snowed under」という熟語ですか。

そう。こなさなければならない仕事などが多いときに使うということだな。「忙殺されている」なんて当てることができるかな。「やることが多くて死にそう~」というときに使える熟語だ。

どう考えてもアプリの語源にはなりえないですけど、こっちは確かにイメージしやすい意味ではありますね。

それからついでに「snow drop」なんていうのも紹介しておこうか。アプリとは関係ないけど。「ラルクアンシエル」の曲にあるんだろ?

聞く相手を間違えてますって。

まともに進められるのは「麻薬」の話だけっていうのは、本当に悲しいことだな。

その「ラルクアンシエル」の「snow drop」っていうのはどういう意味なんですか?

知らない。

知らないってことはないでしょうが! 自分で話しておいて。

いや。「snow drop」っていうのは「マツユキソウ(待雪草)」っていう花の名前なんだよ。ただし、「ラルクアンシエル」がどういうことを意図して「snow drop」としたのかは歌詞を読んだだけではわからなかった、ということだ。

「マツユキソウ(待雪草)」を連想させる歌詞がないってことですか。

「真冬に咲いた白いユキノハナ」なんて書いてあるので、これで「マツユキソウ」のことを意識しているのかもしれない。ほかに「雪がふりそそいでいた」なんていう歌詞があるから単にこれを英訳しようとしたのかもしれない。

その世界観みたいなのをタイトルに付けようとしたと。

まあ、そのあたりは何かのインタビューで語っているのかもしれないな。おっさん二人より詳しい人のほうが多いと思う。とにかく今日は美しい「snow」にごまかされるな!って話しだ。
snowのまとめ!
●だまして~させる、信じ込ませる
●(be)snowed under=仕事に忙殺される
●snow drop=マツユキソウ(待雪草)
●だまして~させる、信じ込ませる
●(be)snowed under=仕事に忙殺される
●snow drop=マツユキソウ(待雪草)
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●追伸

今日、紹介した村上龍の「69」は青春小説としてとても面白く読める本です。上京したあと福生での出来事を書いたのが「限りなく透明に近いブルー」ですが、この「69」は上京する前、高校生のときの出来事をつづっています。私がずっとこのブログで言い続けてきたことは自分のハマったコンテンツで英語を学習していくべきだ、ということです。日本語でハマることができれば「しめた!」ものです。