【読書感想】~『Dreams from My Father』~オバマ(元アメリカ大統領)の自伝から見るアメリカ

高橋
こんにちは高橋です。

今回は『Dreams from My Father』というオバマ元アメリカ大統領の自伝を紹介してみたいと思います。

オバマはケニア人とアメリカの白人女性の間に生まれた子供です。

こういう事情から、人種差別だったり、アメリカの負の歴史だったりがこの本の大きな柱ですが、単純に読物として面白く読むことができます。

日本の政治家が自伝を書いたとしたまずこうは書けないだろう、という記述が多くあり読んでいてまず飽きさせません。

日本語訳も出版されているので、原本と併用すれば英語の勉強にもなるはずです!

 
 


 
 

TOEIC960点になりました!
 
 

マリファナを吸った話

昔、村上春樹が英語の本を読むコツとして、前半は日本語で読み、後半を英語で読むという風にすると、わりとうまくいきやすい、ということを言っていたので(『村上さんのところ』)、今回はその通りにしてみました。
 
 

日本語版のタイトルは『マイ・ドリーム』です。
 
 

英語版はkindle版も出ているので、僕はこのkindle版を読みました。
 
 
すんなり通読できたのはもちろん内容が面白いということも言えます。
 
 
まず僕が、「へ~」と思ったのは、オバマがマリファナや他のドラッグをやったことがあると堂々と告白している部分です。
 
 
仮に日本の政治家がマリファナを学生時代吸っていたなどと自伝の中で告白したら、たぶんとんでもないバッシングの嵐にあって、「タダではすまない」と思いますが、この自伝の出版後に大統領となっているところから考えると「かすり傷」にもなっていないとわかります。
 
 
当時の『ニューヨークタイムズ』(2006年10月24日の日付)がこの自伝の出版を受けて書いた記事を読むと、多くのアメリカ人の反応も透けて見えるような気がするので、一部を引用してみます。
 
 
 
 

『ニューヨークタイムズ』の記事です!

“When I was a kid, I inhaled.”
“That was the point,” Obama told an audience of magazine editors.
The direct admission was in contrast to Bill Clinton’s denial in his 1992 campaign for president that he had smoked marijuana.
“I didn’t inhale,” Clinton said, cementing the idea that he liked to have things both ways.
※inhale肺まで吸い込む
※denial拒否、否定
※marijuanaマリファナ
※have it both ways両方とる、二股をかける
 
 
 
 

オバマは
 
 
“When I was a kid, I inhaled.”(子供のころ吸い込んだ)
 
 
とマリファナを吸い込んだことを認めて言った、ということがこの記事では紹介をされています。
 
 
そして、その「告白」をうけて引き合いに出されたのがクリントン元大統領で、彼は1992年の選挙期間中にマリファナを吸ったことを否定したわけです。
 
 
しかも、
 
 
“I didn’t inhale,” Clinton said, cementing the idea that he liked to have things both ways.
 
 
となっているところからすると、おそらく「マリファナを口にはしたけど鼻から出しただけで肺まで吸い込むことはなかった」ぐらいに言ったんだろう、と想像できます。
 
 
「have things both ways」は要するにどっちでも取れるようにしておくってことですね。
 
 
そういうのをクリントンは好むんだ、ということです。
 
 
こういう「曖昧なアメリカの私」みたいな煮え切らない態度と比べて、オバマの「The direct admission」はむしろ称賛されているようにさえ思えます。
 
 
ちなみにオバマはこの自伝のなかで、マリファナだけでなくて、コカインにも手を出したと話しています(ヘロインはやめておいたそうです)。
 
 
日本のPTAのおばさんが読んだら卒倒しそうな内容ですが、誰かが麻薬で捕まったら一生ヒステリックに追いかけまわすことが通例の日本と対比して考えてみても面白いと思います。
 
 

高橋
僕は900点を超える直前にこの本を読みましたが、通読することができました。英語の勉強としてもおすすめの本と言う事が言えます。
 
 

人種差別とアメリカ

オバマは黒人と白人のハーフなので、アメリカの人種差別というのも当然この本の大きなテーマになっています。
 
 
日本人にとっても全く他人事でないのが次のような記述です。
 
 
 
 

法律で異人種間の結婚が禁止されていました!

In 1960, the year that my parents were married, miscegenation still described a felony in over half the states in the Union.
※miscegenation(特に白人と黒人の)雑婚 ※felony重罪
私の両親が結婚した1960年、異人種間の結婚はまだ州の半分以上で重罪だとされていた。
 
 
 
 
「miscegenation」というのは、辞書(ケンブリッジ)を引いてみると
 
 
sexual relations between people of different races or the act of producing children from parents of different races.
 
 
と出ています。
 
 
「異人種間で性的な関係を持つこと、または子供を産むこと」ということですが、これが1960年のアメリカでは州の半分で罪になったということです。
 
 
この引用文の近くには、アメリカの最高裁判所が異人種間の結婚を禁じたバージニア州の法律を違憲だと指摘したのが1967年になってから、という趣旨の文章も見つけることができます。
 
 
1967年にアメリカのバージニア州で黒人が白人女性と結婚しようとしても「法律」によってできなかった、ということですね。
 
 
もちろん人種の区別では有色人種である日本人もできなかったということになります。
 
 
他にも、オバマの祖父(白人男性)が黒人とメキシコ人の客に対してどう接するべきか、受けたアドバイスを見つけることができます。
 
 
 
 

有色人種に対する差別は当たり前だったようです

“If the coloreds want to look at the merchandise, they need to come after hours and arrange for their own delivery.”
※colored有色人種の
もし、有色人種が商品を見たいと言ってきても、営業が終わってからにしろと言え。配達はせずに自分たちでやらせるんだ。
 
 
 
 
一応補足しておくと、オバマのお父さんはケニア人で母親がアメリカの白人です。
 
 
この引用の祖父というのは母方の祖父、つまり白人男性のことです。
 
 
なにしろ、時間外にわざわざ行く必要があって、しかも配達は自分でしなければいけないので、この時代に日本人がアメリカにいたら、買い物一つするのに、いちいち不快な思いをする可能性が高かったということになります。
 
 
アメリカの負の歴史が個人の歴史にそのままつながって説明されているので、生々しい「差別」をそれこそ直に「感じる」ことができると思います。
 
 

物語として面白い!

この本を読むことで、アメリカという国の道徳の規準のようなものをうっすらと感じられて面白いはずです。
 
 
また本人が黒人があるところからくるアメリカの差別は大きなテーマになっていますが、この本はそれについて批評するというスタンスを取っていません。
 
 
自身が体験したことを率直に語っているところが大半なので余計に生々しい差別を感じることができる内容になっています。
 
 
もちろん、奥歯にものが終始挟まっているのにもかかわらず、政治政策に関してだけは、やたらと声がでかいという内容とも違います。
 
 
次を読ませる構成力もしっかりとある「物語」として、楽しめるはずです。
 
 

 
 

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高橋
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●追伸

高橋
英語の勉強の素材を選ぶコツはとにかく、興味が長続きするものを選ぶということです。

このオバマの自伝は本当に試してみる価値あり!です。

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