注意すべきwouldはこれ!~仮定法と丁寧な表現の関係について~ 

高橋
今回は「would」について書いてみました。

この「would」は「will」の過去形だというようなほとんど意味をなさない説明ばかりがされていますが、重要なのは仮定法の「would」です。

この使い方を理解すると、なぜ「would」が丁寧な表現になるのかがよくわかります。

実例をまじえて紹介してみます!

TOEIC900点取得者が考える仮定法のイメージとは?

2021年10月31日
 
 

「would」のポイント!

  1. 「I wouldn’t give up so easily」(=私だったら簡単にはあきらめない)という表現のように「If I were you,」という前提が省略されている文章が多いので注意が必要
  2. 「would」が丁寧なのは仮定法から来ているから
  3. 「Would you like to~?」→相手の意向を丁寧にたずねる表現
  4. 「Would you~?」→相手に丁寧に頼む表現
  5. 「We would swim to that island everyday.」(=あの島まで毎日泳いだものだ)のように過去の習慣を表す表現にも使える

 
 

TOEIC960点になりました!
 
 

とても重要! 仮定法の「would」

ウィッキー三世
「would」ですか?
乱三世
仮定法の「would」というものをまた話してみよう。
ウィッキー三世
仮定法は以前記事にしてありますけど、それを思い出せば会話表現の「would」もちょろいということですか?
乱三世
とりあえず、村上春樹の短編の中の表現を見ておこう。『めくらやなぎと眠る女』の英訳からだ。耳が悪い親戚の子供に「僕」がはげますように話しかけている場面になる。

 
 
“It’ll feel different having a new doctor treat you, and sometimes just a slight change in procedure might make all the difference. I wouldn’t give up so easily.
 
 

ウィッキー三世
これは、違う医者にみせれば、何か違う結果が得られるかもしれないと言っているわけですよね。
乱三世
そう。どの医者に見せても全然耳がよくならないので、あきらめているように見えたわけだな。だから「僕」がはげますようにいったわけだ。ここで肝心の「would」が使わているだろ?
ウィッキー三世
「I wouldn’t give up so easily」のところですか。
乱三世
これどういう意味になるの?
ウィッキー三世
「僕だったらそんなに簡単にあきらめない」と言っているわけですね。
乱三世
そう。前に仮定法でやった通りこの文章には省略されている部分があるわけだろ?
ウィッキー三世
「If I were you」が抜けているということですね。
乱三世
そういうことだな。「私だったら~」という「妄想」にあたる前提を抜かしているということだ。だからこの文章はIf I were you, I wouldn’t give up so easily」というのが省略なしの形になる。
ウィッキー三世
この「if」が省略された仮定法の「would」の使い方っていうのがまずポイントになるわけですか。
乱三世
この「If I were you」という前提はとにかく省略されることがよくあるんだな。そうなると「would」をみて仮定法だとすぐに見極められるようにならなければいけない、ということだ。
ウィッキー三世
「would」というのは仮定法の印として重要なんだ、ということですね。
乱三世
大変重要です!ってことになるな。繰り返しだけど会話では「If I were you,~」といった前提は省略されることが多いから気をつけなければいけないということだ。それと「would」が仮定法の印だとすると、本当によく会話で使われる「would」がなんで「丁寧にたずねる」表現になるのかがわかる、ということにもなる。
ウィッキー三世
例えば「Would you like to~」という会話表現がなぜ相手に対して丁寧にたずねることになるのかというと、この仮定法から来ている表現だから、というのが大事なポイントになるということですね。
乱三世
「もし~だったら」と仮定法を使って「間接的に」聞いているから、つまり遠回しにたずねているから丁寧になる、ということだな。
ウィッキー三世
こういう前提を頭に入れておけばあとはバリエーションを拾うだけということになりそうですね。
乱三世
そういうことだな。「would」を使った会話表現というのを少し見てみよう。

TOEIC900点取得者が考える仮定法のイメージとは?

2021年10月31日
 
 

相手の意向を丁寧に聞く「Would you like to~」

 
 
“Would you like a chair?”
椅子がいりますか?
 
 

乱三世
上の表現は『羊たちの沈黙』から抜いたものだけど、これをもっとぞんざいに聞くとどうなるの?
ウィッキー三世
丁寧な表現をなくせば「椅子がほしいの?」と言っているわけですよね。
乱三世
それを英語にするとどうなる?
ウィッキー三世
「Do you want a chair?」ですか。
乱三世
その表現を丁寧に言ったのが「Would you like a chair?」だということだな。「I would like to~」というのは「want」を丁寧にしたもんだって習ったと思うけど、なんで丁寧なのかと言ったらそれは仮定法から来ているからなんだな。
ウィッキー三世
これもつまりは「If」で始まる前提を抜いて間接的に言っていると。
乱三世
そう。だから「丁寧に」聞いているということになるわけ。「Do you want a cup of coffee?」を丁寧に言うとどうなるわけ?
ウィッキー三世
「Would you like a cup of coffee?」ですね。
乱三世
ちなみに「Would you like a cup of coffee?」は「Would you like (to have) a cup of coffee?」という形と考えていいものだ。「Would you like to do~?」っていうのは日本語にするとどうなると教わった?
ウィッキー三世
「~はどうですか?」と丁寧に聞いたり、あと「~しませんか?」と勧誘する表現にもなったりしたと思います。
乱三世
これは、日本語のニュアンスが違ってきて混乱するかもしれないけど、間接的に尋ねている、つまり相手の意向を丁寧に聞いているということを頭にいれておけば基本は問題ないんだな。念のため村上春樹の別の短編(『どこであれそれが見つかりそうな場所で』の英訳)の中の一節も引用しておこう。

 
 
“Would you like to see our apartment and my mother-in-law’s?
私のアパートをご覧になって、義母にもお会いになりませんか?
※日本語は高橋がつけました
 
 

乱三世
「“Would you like to see our apartment and my mother-in-law’s?」というのはまさに相手の意向を丁寧に聞いているわけだな。
ウィッキー三世
仮定法があってそこからの流れで丁寧に聞いているんだ、ということを落とさないということですね。
乱三世
そう。例えばちょっとひねって間に「me」を入れる形もあるけどこれも意識する部分は一緒だ。『羊たちの沈黙』から見てみよう。
 
 

“How do you get into that, being a FBI agent?”
“You have to go to college first, Stacy.”
“That’s tough to pay for.”
“Yeah, it is. Sometimes there are grants and fellowships that help out, though. Would you like me to send you some stuff?”
※fellowship研究奨学金
「そこにはどうやって入るの? FBIの捜査官になるのに?」
「まず大学に行く必要があるよ。スティーシー」
「お金がかかるわね」
「そう。ただ補助金や奨学金で援助してもらえることもあるわよ。資料をおくりましょうか?」
 
 

乱三世
相手がFBIの捜査官に興味を示したから、奨学金の存在も教えて「Would you like me to send you some stuff?」(=資料を送りましょうか?)と丁寧に聞いているわけだ。
ウィッキー三世
これは「me」が入って「私が~しましょうか?」と相手に丁寧にたずねているということですね。
乱三世
そう。これだって結局は相手の意向を丁寧にたずねていることに変わりはないということだな。例えば同じ『羊たちの沈黙』にある「Would you like for him to like you?」というレクターのセリフはどんな意味になるかわかる?
ウィッキー三世
「彼が君を好きなってほしいですか?」という感じですか?
乱三世
間に「for him」と入っているから「彼がそうするのを望むのか」、つまりもっとくだけて言ってしまえば「君は彼に好かれたいか?」と聞いているわけだ。難しく聞こえるかもしれないけど、これだって「誰がするのか」は別にして単に相手の意向を確かめていることに変わりがないということなんだな。
ウィッキー三世
最初のうちは「would」が何を意味をしているのか、ここを繰り返し確認していくことが重要だということになりそうですね。
乱三世
まさにそう。ほかにも『ノルウェイの森』で下のようなものがあったけど、これも考えた方はまったく同じだということだ。

 
 

「would rather do ~」=「~するほうがよい」

Would you rather take them off yourself?
自分で脱ぎますか?
 
 

相手に丁寧に頼む「Would you~?」

乱三世
単に「Would you~?」と聞いたらどういう意味になるの?
ウィッキー三世
「お願いできますか?」「していただけますか?」ってことですね。
乱三世
これは相手に丁寧に「依頼」をしているわけだな。「could」と同じだと考えてももちろんいい。『羊たちの沈黙』からサンプルを持ってきてから見てみよう。
 
 

“Are you about a fourteen?” he said.
“What?”
Would you hand me that rope? It’s just at your feet.”
「君はだいたい14くらいか?」彼は言った。
「なに?」
「そのロープを取ってもらってもいいかい? 君の足元にある」
 
 

乱三世
バッファロービルが議員の娘を誘拐する場面からだ。映画にもなっているから知っている人もいると思う。「Would you hand me that rope? It’s just at your feet.」と聞いたまさにこの後にギブスをはめた手で後頭部を殴ってそのまま連れ去ることになる。
ウィッキー三世
「Are you about a fourteen?」というのは服のサイズを聞いているんですよね。自分の理想のサイズかどうかたずねていると。
乱三世
そう。さっきの「Would you like~」が相手の意向を確かめるんだとしたら、「Would you」は相手に対して直接「してくれ」と頼むことになるわけだな。
ウィッキー三世
「I would like to~」がしたいを丁寧にした形なんだから、「Would you like~?」で相手に「~したいか?」と丁寧にたずねることになるけど、「Would you~?」は相手がするように「頼む」表現になるということですね。
乱三世
まあ、これもずっと繰り返してきたことをもう一度言っておしまいということになるな。つまり「would」というのはもともと仮定法から来ているから相手に対して丁寧に「聞く」言い方なんだ、ということだ。
ウィッキー三世
とにかくそこをおさえておけば、後は慣れということですか?
乱三世
このブログではずっと聞くことを勉強の主体にすべしと言ってきたけど、こういうのはまさに聞いて慣れていく典型だな。細かい意味というのは必ず文脈が教えてくれる。

 
 

番外編:過去を回想する「would」

乱三世
最後に過去の習慣「~したものだ」という意味になる「would」にもさらっと触れておこう。
ウィッキー三世
これは、もう受験では超が付くド定番ってやつですね。「used to~」との違いを答えさせる問題なんていうのもよく出ますよね。
乱三世
さらっと触れると言ったのは、その「used to~」との違いについて説明されていることが俺にはほとんど信じられないからだな。
ウィッキー三世
「would」は状態を表す動詞と一緒に使えないけど「used to~」は状態を表す動詞、動作を表す動詞両方と一緒に使えるというやつですよね。それから「used to~」の場合は現在はそうではないという対照の気持ちを言外に含むとかいうのもありましたね。
乱三世
そういう細かいルールを受験用に教えるんだけど、それはいったん頭から外したほうがいいと思う。特に「would」の後に状態を表す動詞を取れないというのはあきらかに間違いだな。どっちにしろ受験が終われば「used to~」と「would」の違いについて質問されるなんてことはないから、安心して「would」がどういう意味になるかだけ覚えておけばいい。『スタウォーズ エピソードⅡ』 のパドメのセリフからだ。

 
 
“We would swim to that island everyday.”
あの島まで毎日泳いだものよ
 
 

ウィッキー三世
アナキンと話している場面ですね。一番いい時期の会話。
乱三世
「昔はよくそうしたものだ」ということを「would」を使って表しているわけだな。辞書(Collins cobuild)にもう少し教えてもらうとこういうことになる。

 
 
You use would to talk about something which happened regularly in the past but which no longer happens.
 
 

乱三世
「過去には定期的に起こっていたことで今では起こらないこと」を表すときに「would」を使うということだ。「Sunday mornings my mother would bake. I’d stand by the fridge and help…」と例文が出ているけどこれはわかる?
ウィッキー三世
「母親が日曜日によくパンを焼いていた。僕はよく冷蔵庫のそばに立って手伝った」みたいな感じですか。
乱三世
過去の習慣を表しているということをおさえておけばここではOKだ。ちなみにこの辞書では「= used to」と簡単に説明されている。だから違いはそれほど気にする必要はないということだ。今回の「would」を下にまとめておいたから参考にしてほしい。
 
 

「would」のポイント!

  1. 「I wouldn’t give up so easily」(=私だったら簡単にはあきらめない)という表現のように「If I were you,」という前提が省略されている文章が多いので注意が必要
  2. 「would」が丁寧なのは仮定法から来ているから
  3. 「Would you like to~?」→相手の意向を丁寧にたずねる表現
  4. 「Would you~?」→相手に丁寧に頼む表現
  5. 「We would swim to that island everyday.」(=あの島まで毎日泳いだものだ)のように過去の習慣を表す表現にも使える

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●追伸

高橋
僕はTOEICの点数が950点を超えましたが、今一からやり直すとしたらここから始めると思う、というのを記事にしてみました。

点数が伸びなくて悩んでいる人にも効く内容となっています。

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