It is time~で何をあらわす? 仮定法その8

Then she raised her gaze to include the rest of us and took a deep breath. “All right, you can hear this, it’s for all of you. It’s time someone spelt it out.”
先生は視線をあげて、わたしたち全員を見渡しました。そして息を大きく吸い、「いいわ、あなた方全員に聞いてもらいましょう。誰かが話してもいいころでしょう。」
―Kazuo Ishiguro NEVER LET ME GO

 
 

「It is time~」は仮定法過去の変わり種

ウィッキー三世
今日は仮定法ですか?
乱三世
前にまとめてやったけど、覚えている? 仮定法過去っていったらどういうことを表すの?
ウィッキー三世
基本的に現在の事実とは異なることを仮定するってことですね。
乱三世
例えば、友人にお前にはあの人は高嶺の花だからあきらめたほうがいいと言いたいときに「If I were you, I would give up on satomi」なんてできるわけだ。
ウィッキー三世
「私だったら彼女(里美)のことはあきらめる」と間接的にアドバイスしているということですね。
乱三世
仮定法過去の説明ということで言えば、「私はあなたではない」から事実とは違うということになるわけだ。
ウィッキー三世
それと動詞の時制に注意が必要ということですね。
乱三世
そう。それから「If I were you」と過去形になったうえに1人称にも関わらず「was」ではなくて「were」とするというところにも注意が必要だということだな。「I would give up on satomi」の部分は帰結節というけど、ここは「過去形の助動詞+原形の不定詞(動詞の現在形と考えてOK)」の形だ。今日扱うのはこの仮定法過去の変わり種だな。
ウィッキー三世
目印が動詞の時制になるということですか。
乱三世
そうなる。「It is time~」でどんな意味になるか、だ。この構文が『わたしを離さないで』の本当に重要な部分で使われているからまずこれを見てみよう。

 
 
Then she raised her gaze to include the rest of us and took a deep breath. “All right, you can hear this, it’s for all of you. It’s time someone spelt it out.”
※spell out~をはっきり説明する
先生は視線をあげて、わたしたち全員を見渡しました。そして息を大きく吸い、「いいわ、あなた方全員に聞いてもらいましょう。誰かが話してもいいころでしょう。」

 
 

乱三世
It’s time someone spelt it out.」の部分だけど、それほど難しいことではないだろ?「spell out~を」で「はっきり説明する」っていう意味だ。それが過去形の「spelt it out」となっているわけだな。
ウィッキー三世
「説明していいころだ」ってことですよね。
乱三世
そこに「ニュアンス」が入るはずだけど、どう?
ウィッキー三世
この時点で説明した人がいないからそれをすべきだという感じになるということですか。
乱三世
「潮時なのにもかかわらずまだしていない」っていう意味を含むということなんだな。現在の事実に反することをただ述べているというよりもそこにお前が言ったような「そうすべきなんだ」という含みが入るということなんだ。
ウィッキー三世
仮定法過去にすることによって、今現にしていないことに対する「意識」っていうのが入ってくるという感じになるわけですか。
乱三世
そうしなければいけないのに現実にはまだだ、ということだから、場合によってはいら立っている感じも出るということだな。It’s time someone spelt it out.」というのは正式には「It’s time that someone spelt it out.」となる。つまり「It is time that S+V」となってこの「V」が過去形を取る形だ。
ウィッキー三世
『わたしを離さないで』という小説の大事な場面からの引用だということですけど、どう大事なんですか。
乱三世
直後にこの小説の核心に触れるようなセリフが入るんだな。ただ推理小説のネタバレに近い感じになるから、これは実際に読んでもらったほうがいいと思う。この場面は先生にあたる人が生徒に対して物を言う場面だけど、生徒に伝えるべき本当のことを伝えていなかったという前提があるんだな。
ウィッキー三世
そういう事実に対する意識があるから仮定法過去がこの場合は適当だということですか。
乱三世
そう。もう一つ「It is time~」の「潮時」の感じを同じ小説から見てみよう。
 
 

It’s time we grew up and started afresh. I know you can reason with him, Kathy. You’ll deal with it the best way possible.
※start afresh新規まき直しをする
※reason with~道理をとく
そろそろ大人になって、もう一度歩きなおしてもいいころだと思う。キャシー、あなたの話ならトミーも聞くだろうし、一番いい方向にもっていってくれると思うの。

 
 

ウィッキー三世
It’s time we grew up and started afresh.」で「心機一転、歩きだすべき」という感じになるということですね。そうなっていないことに対する「意識」が多少なりとも入っていると。
乱三世
くどいようだけど「It’s time that we grew up and started afresh.」というのが正式なわけだ。ここでも当然動詞が過去形だ。この構文は「It is about time that~」とか「It is high time that~」という形で意味が足されることがあるけどこれはわかる?
ウィッキー三世
「It is about time that~」は「そろそろ~するころだ」という感じですか。
乱三世
「It is time that~」と日本語としてはそんなに変わらないけど「about」の感じが「そろそろ」に出るということだな。「It is high time that~」は?
ウィッキー三世
「とっくに~するころだ」ということですか。
乱三世
そう。「It is about time that~」は『ゴッドファーザー』から「It is high time that~」は『ケインとアベル』から取ったので見てみよう。
 
 

「It is about time that~」の例です!

“~I’ve been riding the gravy train all my life, it’s about time I paid my dues”
※gravy trainぼろもうけの口。ride the gravy trainでうまい汁を吸う
※pay one’s dues苦労して地位を得る、義務を果たす
ずっと楽な道ばかり歩いてきたから、そろそろ丁稚奉公からはじめるころだよ。

「It is high time that~」の例です!

William told Matthew that it was high time he found himself a good woman and settled down.
※settle down身を固める、本気でやる、没頭する
ウィリアムはマシューに向かって、そろそろ君もいい人をみつけて身を固めるときだ、と言った。
 
 

乱三世
『ゴッドファーザー』の文章はマイケルっていうドンの三男がマフィアの父と同じ道を歩むと決めたときに発した言葉になる。「pay one’s dues」で「苦労して地位を得る、義務を果たす」という意味だ。転じて「下積みの経験をする」なんていう風になる。
ウィッキー三世
下の例文はマシューという人間が結婚していないという事実があって「~it was high time he found himself a good woman and settled down.」となるわけですね。「もうとっくに結婚しているべきなんだ」という感じになると。ちなみにこれは「~it was high time he found himself a good woman and settled down.」と主節のほうが過去形になっていますね。
乱三世
仮定法なので主節が過去時制でも時制の一致を起こさないんだな。これは注意しておいたほうがいい点だ。

「It is time for~」の文章でも書き換えられる

乱三世
「Ii is time that S+V」の形になると「すべきなのに今現にしていない」という「含む」があるわけだけど、例えば「It is time for~」として後ろにto不定詞を使うと、どうなるのかというのを見てみてみよう。『ゴッドファーザー』のこんな文章からだ。

 
 
Michael said quietly, “I think it’s time for me to tell you that what I’m going to do is not purely out of vengeance for Apollonia and Sonny. It’s the right thing to do.~”
マイケルは静かに言った。「僕が単にアポロニアとソニーの復讐のためだけに事を起こそうとしているのではないと知っておいてもらいんだ。そうすべきだからなんだ。」
 
 

ウィッキー三世
「It is time for~to不定詞」でも意味はほとんど同じじゃないか、と思いますけど。仮定法みたいな「含み」がないということになるわけですか。
乱三世
伝えようとしている事実自体はまったく同じでいいと思う。実際意味としても同じだと説明している参考書は多いな。さっき引用した『わたしを離さないで』のIt’s time we grew up and started afresh」(=そろそろ大人になって、もう一度歩きなおしてもいいころだと思う)は当然It’s time for us to grow up and start afresh」とできるわけだ。ただ、わざわざ仮定法過去にしているというところに「今まだしていない」という意識を見てもいいはずだな。
ウィッキー三世
今日説明してきた「含み」をみるべきだと。
乱三世
そう。ちなみにだけど「~I’m going to do is not purely out of vengeance for Apollonia and Sonny.」の「out of」ってどういう意味だったか覚えている?
ウィッキー三世
「原因で」ってことでしたね。「行動の動機や原因」を説明するときに使うんでした。
乱三世
「out of」はほかにも「in」と同じ意味になったりするんだったな。重要だから頭にぜひとも復習しておきたいところだ。ほかに注意点としては、「It is time that~」の仮定法の場合はbe動詞が1人称、3人称単数でも「were」ではなく「was」を使うのが通例ということだな。例えば「it is about time that something was done」という言う風に「were」ではなく「was」を使うということだ。
ウィッキー三世
仮定法過去だと普通はここで「were」でしたね。それが「was」だと。
乱三世
注意点のひとつだな。今日はこれまで!

 
 

ポイント!
●It is time that~の仮定法過去の形は「そろそろ~してよいころだ」の意味になる。「そのときなのに実際はまだしていない」という「含み」が入る
●It is high time that~=「とっくに~するときだ」
●It is about time that~=「そろそろ~するときだ」
 
 

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高橋
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●追伸

高橋
今日冒頭で触れた「If I were~」の文章はこの「If I were~」という前提自体が省略されることがよくあります。こちらでも確認してみてください。

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