

おっ大将! 来ているな。

今日は「attention」ですか?

そう。今日もいくつか意味を紹介したいから昨日みたいに長話するつもりはないぞ。お前が不必要にLINE登録の紹介するから、苦情がやたらと来ているそうだ。

だから、僕のせいじゃないですよ!

まだわかんないの? いい加減覚えろよ! こんなの季節が変わったときの挨拶みたいなもんなんだから、「実は私もLINE登録の特典動画を見てTOEICの点数をあげた人間の一人なんですよ❤」くらい言えって。ここでほしいのはテレビショッピングでよく見るわざとらしい感激だろが。

「試しに損しようとしてみください。絶対にできませんよ!」ってこんな感じですか?

お前、ネズミ講の勧誘みたいになっているよ!

……。

……。

はじめますか?

そうするか。今日は「attention」だけどよく耳にするだろ?

「Attention please」ってやつですよね。

最近、どこで聞いた?

日本語の後に英語で管内放送を流すとこが多いですよね。デパートとかでも聞きますよ。

そうね。その場合の「attention」っていうのはつまりどういうこと?

「注意」ってことですよね。

問題ないね。一応典型的な使い方の実例はこんな感じだな。
Every guest noticed that the Don paid no particular attention to this third son.
出席者の誰もがドンがこの三番目の息子にあまり注意を払っていないことに気づいていた。
出席者の誰もがドンがこの三番目の息子にあまり注意を払っていないことに気づいていた。

いつもの「ゴッドーファーザー」からの引用だ。ドンが息子の中で一番リーダーの資質を持っていたマイケルに「わざと」注意を払っていない様子をさらっと描写したところだな。これはなじみのある意味で注釈の必要もないだろ?

この「attention」自体は確かになじみがありますけど、他の意味もだいたいこの意味を知っていれば想像できるってことはないんですか?

想像できるかできないか、次の意味に当たってみよう。また「ゴッドファーザー」からだ。
He’s in very bad shape. He’ll pull through but he needs all kinds of attention,, maybe some more surgery.
彼(ドン)の状態はよくない。回復はするだろうがあらゆる処置とおそらく再度の手術が必要だろう。
彼(ドン)の状態はよくない。回復はするだろうがあらゆる処置とおそらく再度の手術が必要だろう。

訳も一緒に書いたけど、この「attention」はどんな感じ?

「処置」となっていますよね。

ドンが撃たれて「bad shape」なわけね。そのドンが必要としているのは簡単に言ってしまうと「世話」ってことだな。ここでは怪我に対しての「処置」と訳を当てたけど「処理、手配、配慮、世話」なんていう風にできる意味になるな。例えばこれに近い意味で「心遣い」なんていうのもあるけど、その場合は「(歓心を買おうとするための)心遣い」という意味を含んでいて、むしろ「注意」に近いかもね。これは想像の範囲内だった?

それこそ少し「注意」が必要ですかね。

そうなると、次はもっと「注意」が必要だ。
Fuku-chan thought this was amusing, so he played the part, saying, “Well, how’s it going, squirt? You getting any faster? “Yes, sir,” said the runner, standing stiffly at attention. I’m down to 10.4 in the hundred.”
※squirt若僧、青二才 ※「10.4」と英語の翻訳をそのまま写しましたが原文を見ると「11.4」のようです。
※squirt若僧、青二才 ※「10.4」と英語の翻訳をそのまま写しましたが原文を見ると「11.4」のようです。

これは村上龍の「69」からの引用だ。日本語訳を書かなかったけど、どんな意味になるかわかる?「standing stiffly at attention」としてどんな意味になるかだな。「he played the part」となっているところは、相手が自分を先輩だと勘違いしたので面白がってそのまま先輩の役をこなしたという感じになるな。

そうすると、この場面は、相手が先輩だと思って間違えて挨拶してきたので、「ちょっとは速く走れるようになったか?」と聞いているってことですよね?

そう。先輩に話を聞かれているときは普通どういう姿勢でいる? 体育会系の現場ではいまだに目にする光景だろ?

「直立不動」ですか?

そう。「stand at(to) attention」で「気を付けの姿勢を取る」って意味になるな。だから「standing stiffly at attention」となれば、「直立不動」って表現がぴったりなわけ。「stiffly=こわばった調子で」が入ってよりこわばって立っている感じが出ていると思う。ちなみに訳は「フクちゃんは面白がって、おお、お前少しは速うなったか、と言った。はい、百は十一秒四です、と直立不動のランナーは答えた。」となる。先輩のふりをして受け答えしたら、あとでバレて殴られたって面白い文章が続いているな。一応辞書からも引用しておこう。
When people stand to attention or stand at attention, they stand straight with their feet together and their arms at their sides.

両足をそろえて、腕は脇に置いてまっすぐ立っている状態なんだから、「気をつけの姿勢を取る」ってことだな。これは、「注意」が必要だったか?

結構「注意」が必要でしたね。

じゃあ、最後はもっと「注意」が必要になりそうだな。こっちはTOEICで見かけることが多い意味になると思う。村上春樹の「羊をめぐる冒険」からだ。
Attention: Rat
Get in touch. Urgent!
Dolphin Hotel, Room406
Get in touch. Urgent!
Dolphin Hotel, Room406

これは手紙か何かですか?

「僕」が新聞に出した新聞の広告だな。「Rat」っていうのは「鼠」っていう登場人物だから人間のことだ。要するに鼠に対して連絡して欲しいと言っているわけね。この「Attention」はどんな意味?

これは答えるのにとっても「注意」が必票ですね。

「Attention=~宛」ってことだよ。よく公式文書なんかで目にする文言だけど「担当者を指名するときに人名・部署名・肩書きの直前につける」という役割があるわけ。「for the attention of Rat」ってことだな。

いきなり「for the attention of Rat」なんて出きてきたら、嫌ですね。

そうだろ?「注意」が必要だろ?
「attention」のまとめ

●「注意」という意味のほか、「世話」「処置」「配慮」などの意味があります。
●また、「気を付けの姿勢をとる」という意味で「stand at(to) attention」と表現できます。
●「for the attention of Rat」= 「Attention: Rat」として「鼠宛」という意味になります。
(※鼠というのは村上春樹の小説の登場人物です)
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追伸

今まで何度も触れてきたように「多義語」の攻略は、TOEICの点数アップのカギとなります。特に日本語にもなっている単語に関しては、必ず日本語の意味に引っ張られてしまうので注意が必要になります。
「わくわくTOEIC」と題して多くの多義語を紹介していますので、ぜひ目を通してみてください!
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今日は寂しい反応しかなかった昨日の「name」に続いて「attention」を取り上げてみたいと思います。
「Attention please」というフレーズで耳慣れているから、わざわざ「注意」して見なくてもいいのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。TOEICに出やすい、とっても嫌な意味が潜んでいますので、今回も炙りだしてみたいと思います。