
ポイント!
- 「the」……話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使う。
- 「a」……ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在を指す。「任意の一つ」を指す場合に使われる。
TOEIC960点になりました!
「the」と「a」の基本的な違いとは?

冠詞ですか?

「the」という定冠詞について実例を出しながら考えていこう。その過程で当然「a/an」といういわゆる不定冠詞にも触れられると思う。今回はいきなり実例から見てみよう。『コロンボ』の「死者の身代金」という回から取ってある。 「頭を悩ませている」と言っているのがコロンボで会話をしているのは犯人の女だ。
―Well, they really nag me. (そういう不審な点について)頭を悩ませてますよ。
―Such as…… 例えば?
―The bag, for instance. 例えばバッグとか
―Which bag? どのバッグ?
―The one you dropped from the plane. The one with the ransom money in it. Didn’t I say which bag it was? 飛行機から落としたバッグですよ。身代金が入ってた。どのバッグか言わなかった?
―No, you didn’t. 言ってないわ。

誘拐事件自体は女がでっちあげたものだから、本当は身代金なんか入っていない空のバッグを落としただけなんだけど、それをコロンボは見抜いているわけだ。それで「バッグが気になる」と言ったということだ。

「The bag, for instance. (例えばバッグとか)」となっていますね。

そう。コロンボがそう言って、相手の注意を引こうとしているわけだ。ここで見ておきたいのは、「The bag」と「bag」に「the」をつけて、そのバッグの説明自体は相手に訊かれるまでふれなかった、ということなんだな。

相手が「Which bag? (どのバッグ?)」と聞き返していますね。

訊かれたそのあとでやっと「飛行機から落としたバッグだ」とバッグのことを特定させているだろ?

「The one you dropped from the plane.」ですね。

これは「the」という定冠詞の特徴がよく出た会話だと思う。繰り返しだけど、それまでに「どの」バッグなのかを特定することは言っていないんだな。

だから「Which bag? (どのバッグ?)」と返されてしまったわけですよね。

そう。普通の会話で「the」を使うとしたら、どんなことが必要だったと言える?相手との間にどんな前提が必要だった?

この会話の例でいえば、前提として「バッグ」が何を指しているのか相手もわかっていることが必要だったってことですよね。

そう。「the」っていうのは、話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使うということだな。この前提抜きにいきなり「the~」と使えば、その前提を質されることになるということだ。

会話なら、聞き返せばすむけど、作文なんかは読者を戸惑わせることになってしまいますね。

だから、「the」の特質を頭に入れておく必要があるということだな。
なぜ「my friend」に違和感を感じるのか?

この「the」と「a」の違いを考えると「my friend」という表現をいきなり使ったときの違和感がよくわかるはずだろ?

どういうことですか?

「my」っていうのはそもそもどういう性質を持っている?

「定冠詞相当語」と言うやつですよね。「定冠詞」と同種じゃないですか。

そう。だとすると、文脈があって「my friend」ならわかるけど、いきなり「my friend」とすれば不自然な表現になってしまうということだな。

いきなり前提もなしに「その友達」って言っているようなものだ、ということですか。

だから、「その友達」っていうのはだれなんだ! となってしまうということだな。「the」と「a」の違いを下にまとめておこう。
ポイント!
- 「the」……話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使う。
- 「a」……ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在を指す。「任意の一つ」を指す場合に使われる。
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●追伸

僕がTOEICを初めてうけたときは400点でした。
900点を超えるまでの道のりは決して平たんではなく、紆余曲折ありました。
そんな僕が、今TOEICを受け始めるとしたら、ここから勉強するということをこの記事で書いてあります。
僕の経験が全部入っているので有益な記事になっています!
今回は「the」と「a」の違いについてお話したいと思います。
冠詞はTOEICにはでないとよく言われますが、パート6の文章補充問題では冠詞がわかれば排除できる文章が大抵混じっていたりします。
作文をする場合に重要になるのも冠詞です。
決して名詞についたお飾りではないので、詳しく見ていきましょう!