
「the」と「a」の基本的な違いとは?

今日は冠詞ですか?

「the」という定冠詞について実例を出しながら考えていこう。その過程で当然「a/an」といういわゆる不定冠詞にも触れられると思う。

だいぶ頭が疲れそうですね。

いや、一番大事なところをすくっていくから、こんなに詰め込んだら死んじゃうから❤とは、ならないから大丈夫。今日はいきなり実例から見てみよう。『コロンボ』の「死者の身代金」という回から取ってある。コロンボが誘拐事件について不審な点をいくつも見つけて、女(犯人)に「気になる点がある」と切り込んでいる場面からだ。この誘拐事件自体は殺人を偽装するために犯人の女がでっちあげたもので、実に荒いものだったからそこをコロンボが突いているわけだな。「Well, they really nag me. (そういう不審な点について)頭を悩ませてますよ。」という最初の発言がコロンボのものになる。
―Well, they really nag me. (そういう不審な点について)頭を悩ませてますよ。
―Such as…… 例えば?
―The bag, for instance. 例えばバッグとか
―Which bag? どのバッグ?
―The one you dropped from the plane. The one with the ransom money in it. Didn’t I say which bag it was? 飛行機から落としたバッグですよ。身代金が入ってた。どのバッグか言わなかった?
―No, you didn’t. 言ってないわ。

誘拐事件自体は女がでっちあげたものだから、本当は身代金なんか入っていない空のバッグを落としただけなんだけど、それをコロンボは見抜いているわけだ。それで「バッグが気になる」と言ったということだ。

「The bag, for instance. (例えばバッグとか)」となっていますね。

そう。コロンボがそう言って、相手の注意を引こうとしているわけ。ここで見ておきたいのは、「The bag」と「bag」に「the」をつけて、そのバッグの説明自体は相手に訊かれるまでふれなかった、ということなんだな。「The bag, for instance.」と頭を悩ませていることについて話した後の反応はどんなものだった?

相手が「Which bag? (どのバッグ?)」と聞き返していますね。

訊かれたそのあとでやっと「飛行機から落としたバッグだ」とバッグのことを特定させているだろ?

「The one you dropped from the plane.」ですね。

これは「the」という定冠詞の特徴がよく出た会話だと思う。繰り返しだけど、それまでに「どの」バッグなのかを特定することは言っていないんだな。だから「Which bag? (どのバッグ?)」と返されてしまったわけだ。普通の会話で「the」を使うとしたら、どんなことが必要だったと言える?相手との間にどんな前提が必要だった?

この会話の例でいえば、前提として「バッグ」が何を指しているのか相手もわかっていることが必要だったってことですよね。

そう。「the」っていうのは、話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使うということだな。この前提抜きにいきなり「the~」と使えば、その前提を質されることになるということだ。

会話なら、聞き返せばすむけど、作文なんかは読者を戸惑わせることになってしまいますね。

だから、「the」の特質を頭に入れておく必要があるということだな。例えば駅までの道を訊くときは英語でどう言うって教わった?

「Could you tell me how to get to the station?」とかですか?

この場合の駅っていうのはどういう駅のこと? 日本語で「ここから駅まで何分くらいですか?」って訊いたとしたら、その駅っていうのは普通どの駅を指す?

最寄り駅ですか?

そう。じゃあ仮に「Could you tell me how to get to a station?」と言ったとするとどういう意味になる?

「駅までどういったらいいか教えてください」じゃないですか?

「Could you tell me how to get to the station?」と同じってこと?

逆にどう違うんですか?

「the」の意味っていうのはどういうものだと説明した?

何を指しているか明確なときに使うわけですよね。

それに対して「a」が名詞についているときは、ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在を指すことになるわけ。共通の特性を持つなかの「任意の一つ」を指すってことだな。そうなると、「Could you tell me how to get to a station?」っていうのはどういう意味になる?

「駅までどういったらいいか教えてください」って意味ですけど、要するに「どの駅でもいいから教えて」くらいの意味が入ってくるということですか?

相手を困らせるような質問になってしまうわけだ。
「an ex-husband」と「the ex-husband」の違いとは?

この例から「the」と「a」の違いは「数」をあらわすときに、明らかな違いが出てくるということになるな。

具体的にはどういうことですか?

例えば、お前の妹が離婚したことがあるとして、その離婚した夫に対して、どういう冠詞をつけるのが適当かわかる? 離婚した夫っていうのは「ex-husband」と表現するけど。

「the ex-husband of my sister」じゃないですか?

じゃあ、妹が2回以上離婚したことがあってそのうちの任意の一人を指す場合はどう言う?

そうすると「an ex-husband of my sister」となるわけですか。

これは、さっき説明した「the」と「a/an」の違いっていうのを頭に浮かべればすぐにわかると思う。「the」っていうのは、「『その』離婚した夫」となって、人物を特定させるわけ。つまりわかれた夫は1人だけということ。それに対して、「a/an」の場合はそのカテゴリーで「特定できないもの」を指すわけだから、他にも同種の人がいるっていう前提が成り立つわけ。だからわかれた夫が「2人」以上いるってことになる。

わかれた人が2人以上いるってことがわかるから、2回以上離婚したことになるわけですか。

そう。この話って最近話題にあがることが多い「my friend」っていう表現は正しいかっていうところにもつながってくるけどなんでかわかる?「my」っていうのはそもそもどういう性質を持っている?

「定冠詞相当語」と言うやつですよね。「定冠詞」と同種じゃないですか。

そうなると、さっきの「the」の例からすると、文脈があって「my friend」ならわかるけど、いきなり「my friend」とすれば不自然な表現になってしまうということだな。

いきなり前提もなしに「この友達」って言っているようなものですね。

数の話でいえば、「世界で唯一の友達」っていう意味になってしまうわけだ。まあ、今日は少し長くなったから、この「my friend」問題は別の機会にしよう。
まとめ
「the」……話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使う。
「the」……話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使う。
「a」……ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在を指す。「任意の一つ」を指す場合に使われる。

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今日は「the」と「a」の違いについてお話したいと思います。冠詞はTOEICにはでないとよく言われますが空欄を埋める文章を選択する問題などでは冠詞の性質を考えただけですぐに排除できる文章が大抵混じっていたりします。作文をする場合に重要になるのも冠詞です。決して名詞についたお飾りではないので、詳しく見ていきましょう!