冠詞の「a」は実は誰とでも相性がいい!?~「a」や「the」のめずらしい使い方~

高橋
こんにちは高橋です。
以前書いた「冠詞のツボは実は〇〇にある!? ~「the」と「a」の違いから何がわかるか~」という記事がなかなか好評だったので、さっそく冠詞の第二弾をまとめてみました。今日は、「a」や「the」の特殊な使い方についてです。
今日も小説の実例をあげてありますのでさくっと頭に入れてしまいましょう!

 
 
 
 
 

ウィッキー三世
今日はまた冠詞ですか?
乱三世
そう。以前の記事が好評だったから、さっそく次だな。今日は、まずこの文章を見てもらおうか。たまに見かける使い方だけど知っているかな?「マルタの鷹」というハードボイルド小説からだ。
 
 
 
 
 

「a/an」の変わった使い方

A Miss Wonderly checked out this morning. I’d like to know the details.”
 
 
 
 
 

ウィッキー三世
これは「Miss Wonderly」という固有名詞に「a」がついているということですか?
乱三世
そう。まず前回の復習だけど、そもそも「a/an」っていうのはどういう性質のものだった?
ウィッキー三世
「a/an」が名詞についているときは「ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在を指す」ことになるわけですよね。
乱三世
「同じ特性を持つグループの任意の一つ」ってことは、言葉を変えれば「特定できないもの」を指しているわけだ。では「the」というのはどういうものだった?前は「コロンボ」の場面を出して説明したけど。
ウィッキー三世
「the」っていうのは「話し手と聞き手との間にそれが何を指しているのかという前提がはっきりしている場合に使う」ということでしたね。
乱三世
そう。特定の「それ」を指すということだな。しかも基本的には発信する側と受け取る側との共通理解がないといけないということだったわけだ。そういう「a/an」や「the」の性質を知ったうえで、「the ex-husband of my sister」「an ex-husband of my sister」の違いっていうのも説明したけど、これはどういう違いがあった?
ウィッキー三世
「a/an」「the 」の特性を考えると結果的に「数」がわかるということでしたね。
乱三世
「the ex-husband of my sister」っていうのは何がわかる?
ウィッキー三世
これは、妹のわかれた夫が1人だけだとわかるということですね。
乱三世
じゃあ、「an ex-husband of my sister」は?
ウィッキー三世
妹のわかれた夫が2人以上いるということですね。
乱三世
そう。だから妹は2回以上離婚している、とわかるわけだ。さっき復習した「a/an」の考え方が入っていればすぐにわかることだけど、理屈としてはどういうこと?
ウィッキー三世
「a/an」というのは「ある共通の特性を持つグループの中の一つの存在」だから、その中の任意の一人ということになってしまうわけですね。
乱三世
だから、結果として2人以上、元の旦那がいるということになってしまうわけね。こういう前提があると、実例として出した「“A Miss Wonderly checked out this morning. I’d like to know the details.”」という文章はどこが不自然なの?
ウィッキー三世
固有名詞と任意の一人っていうのはバッティングしてしまいますね。
乱三世
固有名詞っていうのはどういうもの?
ウィッキー三世
「Japan」や「Canada」などの国名だとか、この例にあるような「人名」とかそういうもののことですよね。
乱三世
「特定の物だとか人の名前」ということだな。だからお前が言ったように「a/an」とはバッティングしてしまうということだ。これ、先に訳を紹介すると「けさチェックアウトしたワンダリーという女のことだ。くわしいことを知りたい。」という風になるね。だとすると、「A Miss Wonderly」っていうのはどういうことだかわかる?
ウィッキー三世
「ワンダリーという人」ってことですか?
乱三世
そう。「ワンダリー」っていうのは確かに固有名詞なんだけど、「ワンダリー」さんという名前の人はほかにもいるわけ。特定の人につけられた名前ではあるけど、その名前の人が何人も存在するということだな。日本で言えば「高橋」っていうのは人を特定するものではあるけど、他にもそういう苗字の人はいっぱいいるということだ。
ウィッキー三世
そうなると「ワンダリー」っていうカテゴリーの中の任意の一人を指すから「ワンダリーという人」となるわけですか。
乱三世
理屈としては簡単だと思う。これ、職場にかかってきた電話を他の人につなぐときに使われたりもするな。「高橋という人からお電話です」なんてね。
ウィッキー三世
ちなみになんですけど、固有名詞って基本は無冠詞なんですか?
乱三世
さっき説明した「the」の原則っていうのは、固有名詞であっても一緒だな。例えば吉田修一の「パレード」の英訳にこんなものがあるからちょっと見てみようか。
 
 
 
 
 

“Someone named Umezaki called.”梅崎って人から電話あったよ
“You mean the Umezaki from my club?”梅崎先輩から?
 
 
 
 
 

乱三世
「梅崎」っていうのがどの「梅崎」なのか確認して「the Umezaki from my club?」って聞いているわけだな。この場合は相手の返事を期待して使ったというよりも、自分に確認している感じになるかな。
ウィッキー三世
まさに文脈によるってことになるわけですか。
乱三世
そう。「A Miss Wonderly」がどういう意味になるかとりあえず確認できたから、別の面白い使い方も見ておこう。「ゴッドファーザー」からだ。
 
 
 
 
 

名前を複数にするとどうなる?

She might be a daughter of the Great Don but she was his wife, she was his property now and he could treat her as he pleased. It made him feel powerful that one of the Corleones was his doormat.
彼女は偉大なドンの娘かもしれないが、今や彼の妻であり所有物であって、思いのままに扱うことができるのだ。コルレオーネ家の人間が自分の意のままになるということがカルロに自分の力を意識させることになるのだ。
※doormatドアマット、人にいいようにされる人

 
 
 
 
 

乱三世
これは、赤字にしたけど「the Corleones」の部分だな。
ウィッキー三世
固有名詞が複数形になっているわけですか?
乱三世
訳も載せたけど、「the Corleones」でどんな意味になっている?
ウィッキー三世
「コルレオーネ家」となっていますね。
乱三世
コルレオーネ家を構成するメンバーっていうのは、全員「コルレオーネ」なわけね。だから複数にしてから頭に「the」をつけると「コルレオーネ家」という風になるという理屈だな。これもそんなに難しいことではないと思う。
ウィッキー三世
さっきの「A Miss Wonderly」なんて特にそうですけど、理屈がわかれば頭にすんなり入りそうですね。
乱三世
理屈がわかれば難しくはないと思う。一応最後の例文に触れておくと「doormat」っていうのがすごいだろ?
ウィッキー三世
「人にいいようにされる人」っていう意味もあるんですね。
乱三世
そう。「ドアマット」って意味ももちろんあるけどね。この文はコルレオーネ家の娘をもらったカルロっていう男の述懐なんだけど、自分がファミリーで冷遇されているのを面白く思っていないわけ。それでコルレオーネの娘である自分の嫁を「doormat」のように扱ってうっぷんを晴らしているっていうことだな。
ウィッキー三世
このカルロは結局悲惨な最期が待っているわけですよね。
乱三世
映画でも確認できる場面だな。興味がわいた人はぜひ観てほしい。
 
 
 
 
 

まとめ
●例えば「A Miss Wonderly」というように、人の名前に「a」が付いたときは「~という人」という意味になる。

●「the Corleones」という風に「Corleone」という名前を複数にして「the」をつけると「コルレオーネ家」という意味なる。

 
 
 
 
 
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●追伸

高橋
今日引用した、ダシールハメットの「マルタの鷹」も面白い小説です。典型的なハードボイルド小説ですが、本筋とは関係ないところで突然挿入される、ある「男」のエピソードが、とても印象的です。ポール・オースターなどのアメリカ文学の最良の部分に受け継がれている「核」のようなものをこのエピソードから見ることができます。あなたも是非試してみてください!

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