
●現在形や過去形などの時制を文章で比較して意味の違いを教えてくれるので頭に入れやすい
●その都度図で示してくれるので、イメージがつかみやすい
●I’ll~とI’m going to~の違いを説明していたり細かいニュアンスの違いも具体的に示してくれるのでより深い理解が得られる

各時制を比較することで大事なポイントがわかる!
この本の特徴は、時制の違いによって具体的にどんな意味の違いが生まれるのか比較して示してくれるところです。
例えば「昼食をとる」ということに関して「現在形」と「現在進行形」を比べたこういう文章が載っています。
I have lunch with my coworkers.
私は同僚と昼食をとる習慣があります。I’m having lunch with my coworkers (now).
私は今同僚と昼食中です。I’m having lunch with my coworkers tomorrow.
私は明日同僚と昼食をとります。
時制は大まかに現在形、過去形、未来形、進行形、完了形と5つの考え方がわかっている必要がありますが、上の文章ではそのうちの2つのイメージがわかります。
まず「I have lunch with my coworkers.」と現在形を使った場合、今食べているのかどうかを表現しているのではなく、現在の習慣を表わします。
日本語でも久ぶりにあった友人に「今、何しているの?」と聞かれたら、今まさに何をしているのかではなく、過去から接続して未来までも続く行為、つまり今の習慣、行動を聞かれているということがよくあるはずです。
「今、何をしているの?」で仕事は何をしているのか?となるのが普通でしょうし、ジムで久しぶりにあったのなら、最近している(習慣にしている)筋トレの内容のことを聞いている場合だってあるはずです。
それに対して「I’m having lunch with my coworkers (now).」とすればまさに今、友人と食事をしているということを表わします。基本的には今まさにしている動作を表わすわけです。
進行形を使って未来を表わすこともできます。
ベルトコンベアは近未来も同じように動いていますね。確定的な未来の予定を表わすとしても、自然で違和感はありません。
このように昼食をとるという動作を通して、それぞれの時制の意味が具体的にわかりやすく示されます。
習慣を表わすことが多いと中学生以来言われ続けているのに、意外に生の文章に当たると「今まさにしていることを表している」と勘違いしてしまうことが多いのが「現在形」だと思います。
以前このブログで『羊をめぐる冒険』(村上春樹)の英訳を出して現在形を説明したことがありますが、それは私が「今まさに何をしているのか聞いている」と勘違いしてしまった文章です。もう一度引用してみます。
“And you’ve been living here how long?
“Long time,” said the Sheep Man. “Real long time”
“What do you eat?”
Tubers shoots nuts birds ~
「ずっとここに住んでるのかい?」
「ずっと」と羊男は言った。「ずっと長くだよ」
「何を食べてるんだい?」
「蕗、ぜんまい、木の実、鳥~」
※日本語は村上春樹の原文を引用してあります
※Tuberts塊茎(地下部の茎の一部が肥大し栄養分を貯蔵する機能をもつもの。ジャガイモなど)→この場合は蕗(ふき)の訳として当てられているが「butterburs」の方が適当か?
※shoots苗条→この場合はぜんまいの訳として当てられている。
僕が羊男と面とむかって会話している場面ですが「What do you eat?」として「今まさに何を食べているのか」聞いているわけではありませんね。
「普段何を食べているのか?」と現在の習慣を聞いているわけです。
もし今この瞬間に何を食べているのか聞きたければ「What are you eating now?」としなければなりません。
今まさに何を口に入れているのか、ということと、何を食べることを習慣としているのかでは大きく違います。時制によって生じる意味の違いを拡大してみせてくれるのがまさにこの本です。
ほかにも今度は「ジョギング」という動作を例に出して、現在形と過去形、未来形の具体的な違いが示されます。
I jog early in the morning on the weekends.
週末の早朝、ジョギングをしています。I jogged on the weekend.
週末にジョギングしました。I’m going to jog on the weekend.
週末にジョギングするつもりです。
「I jog early in the morning on the weekends.」という現在形を使えば週末の早朝にジョギングをするという習慣を持っているということです。
だから毎週末となるようにweekendsと「s」が付いているわけです。
「I jogged on the weekend.」という過去形であれば週末にジョギングをしたという事実を単に伝えるだけです。
この場合は現在どうしているのかを伝えるわけではなく、過去のある一点の動作を説明するだけです。
「I’m going to jog on the weekend.」というのは現在の習慣や過去の出来事でもなく、未来の予定を示すときに使われます。過去→現在→未来という大事な時制が比べられているわけですね。
なお、未来のことをいうときに「be going to」を使いますが、この本ではさらに「will」というもう一つの未来形との違いも説明をしてくれます。次のような文章では話し手の意識というのはどう違うでしょうか。
I’ll go to your house on Friday.
金曜日にご自宅に行きますね。
I’m going to go to your house on Friday.
金曜日にあなたのところに立ち寄ろうと考えています。
「be going to」と「will」の違いは、この本にある説明をそのまま抜くとこうなっています。
「とっさに決めた意志」を表すwillと異なり、同じ未来形でもbe going to~は「以前から決まっていた予定に向かって行動を進めようとしている」表現になります。
各時制を比較しながら、具体的にしていくのがこの本で、最終的にはほぼすべての時制を横断していきます。頭から順番に読んでいけば時制のイメージがすんなり頭に入る仕組みになっています。
完了形は過去形との対比で教えてくれます!
苦戦する人が多い時制の一つが完了形ではないかと思います。
過去のある地点から現在までの時間の流れを意識する必要があり(現在完了形の場合)、慣れが必要です。
この本ではより説明が必要な完了形という使い方も過去形との対比によって鮮やかにしてくれます。
使われるのはこういう文章です。
I wanted this.
これほしかったの。I’ve wanted this.
ずっとほしかったの。
現在完了形は過去のある地点から現在まで続く時間を「have」を使って表します。
「I’ve wanted this.」とすれば過去から現在までの時間を表しているのですから、「ずっとほしかった」となるわけです。過去から現在まで欲しいということは、「ずっと」ほしかったという日本語が適当ですね。
一方で「I wanted this.」と過去形にした場合、現在も欲しいのかということを明示はしません。過去のある時点での動作、行為、感情を示すだけだからです。
ただ、会話の流れによってはずっとほしかったとは言わずにあえて過去形を使うことで、暗に今は欲しくないということを言い表すこともできるということになります(「I wanted this.」というのはそういう風にとることができます)。
現在形とはこういうもので、進行形とはこういうものだ、という個別の説明は中学生以来ずっと触れてきたと思います。
ただ、ここまで各時制の細かい違いに目を向けて解説してくれる本はなかなか見ることがありません。
もし、あなたが英語をもう一度勉強し直したいというときはきっとこの本で時制のイメージ固めができるはずです。
また比較している文章のなかにはTOEIC高得点者でも意味を正確に答えることができない文章がまざっています。
英語がかなり上達したあとでもしっかりと読める内容になっています。
仮定法も比較して教えてくれる!
きっと仮定法と聞くと時制よりももっと嫌な感覚を持っている人が多いと思います。
実際はそれほど難しくはなく、現実とは違う事実を想定して言う(ときには妄想だったりします)とただそれだけのことなのですが、時制を変えるルールがあり、やっぱり慣れが必要です。
この本では時制の次にその嫌な「仮定法」も取り上げられています。
仮定法過去、仮定法過去完了、wishを使った表現、it’s timeという表現、Ifを使わない仮定法の表現など、ほぼ完全に仮定法に関わる表現が網羅されています。
もちろんここでも仮定法を使ったときとそうでない文章を比べてみたり、仮定法過去を使った場合と仮定法過去完了を使った場合の意味の違いを示してみたりして、具体化していくという手順は変わりありません。
例えば「It’s time」という「~する時間なのに~していない」という事を暗に示す表現は仮定法ではない文章との比較で説明されます。
It’s time you started studying.
もういい加減に勉強する時間ですよ!It’s time for you to start studying.
勉強する時間ですよ。
「It’s time you started studying.」と過去形の「started」を使って仮定法を作っています。この場合であれば「勉強する時間なのにしていない」という話し手のイライラが伝わる内容となっています。
逆に「It’s time for you to start studying.」という現在形の文章は単にその勉強の時間であることを伝えるだけで、
「『仮定法過去』で表されるような現実との違いに対する特別な感情はありません」(文中より引用)。
「現実との違いに対する特別な感情」があるから(だから仮定法の範疇になる)「もういい加減に勉強する時間ですよ!」と言う意味になるということです。
こういう比較を通して時制に続いて仮定法も同じように頭に入れることができます。
ここでは図や表までそのまま引用することはできませんが、文字以外の絵を使って丁寧に補足をしてくれるので「マンガでわかる」というタイトルから想像できる通りのわかりやすさです。
私は冒頭でも記した通り、この『時制・仮定法』を含むデイビッド・セインの「マンガでわかる」シリーズを全巻買ってkindleに入れてあります。このシリーズが今Kindleunlimitedで読み放題の対象となっています。
Kinldeunlmitedの対象は定期的に変わるようですので、今のうちにチェックしてみてください!

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●追伸
