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まずいつ復習するのかを意識することが大事
復習の話をすると、すぐに復習の具体的なやり方のほうに話がいってしまうことが多いと思いますが、まずいつ復習をするのかということに触れてみたいと思います。
一番頭に残りやすい復習のタイミングはいつか
ということですね。
有名な7回読み(『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』山口真由著)でもなんでもいいですが、回数をこなすことが頭に残す一番の近道だ、ということに異論はないと思います。
ではその7回(3回でも5回でもいいですが)はどんな「間隔」でやるといいのか、ということです。
私がこのことを考えたのは確か800点を超えてすぐのころで、そのとき参考にした本の内容を、特に覚えにくい単語などに関しては、ほぼそのまま実践するようにしています。
私が参考にしたのは池谷裕二さんの『受験脳の作り方』という本です。
このブログではしょっちゅう触れているので、もう定番といってもいいかもしれませんね。
ここに書いてある復習の最適な時期というのは、次のとおりです。
その1週間後に、2回目
2回目の復習から2週間後に、3回目
3回目の復習から1か月後に、4回目
海馬の性質を考えたうえ、さらに具体的な実験を通して得られた結論がこのスパン、だそうです。
薬学博士で脳のことを研究している人の意見ですから、たぶん私たちよりも脳の性質については詳しいはずですね。
(詳しいにきまっていますが、一応。)
だから、こういう意見には素直に従っておくのがいいと思います。
昨日やったところがどの部分か忘れる人はいないでしょうから、次の日の復習について注意することはないと思います。
問題は2回目以降の部分で、私の場合はカレンダーのリマインダー機能を活用して携帯に教えてもらうようにしています。
とてもシンプルに、その日やった内容を
●1日+1週間後=8日後
●1日+1週間+2週間後=22日後
●1日+1週間+2週間+1か月=52日後
にその日のうちに書き込んでしまいます。
復習をする時期まで一緒に記憶するなんてことをしていたら、脳みそが過労死してしまう可能性がありますね。
だからそういう作業は得意な人にまかせています。
(機械に任せるということです。念のため)
ちなみに私の場合、復習の圧は最後の4回目(最初の学習から約52日後)にもっとも強く入れます。
このころになると意外に記憶が薄れているものなので、もう復習しないと決めたその日に最初にやったときよりも気合を入れて勉強するようにします。
もちろんすべてをカチカチにこのスケジュールでやる必要はないと思います。
基礎になる単語力を底上げしたいと思っているときなどに最も適した方法のはずです。
合計4回の復習では定着しないというときは、そのままもう1クールやるということでももちろんいいですね。
私の場合だったら1か月いったん寝かしてもう1クールやるか、そのまま続けて2クール目に突入するか、当面の空き時間によって決めています。
こうすれば脳科学の最適解にそったやり方で、回数をこなすことができますね。
どう復習するかというやり方も大事ですが、いつ復習するのかというのも同じくらい大事なので、意識しておいてもいいと思います。
西暦から記入するようになったことで思わぬ副産物が……
なかなか言うことを聞かない「海馬」を説得するための方法というのは当然「日付」をつけないといけません。
最初に勉強したのがいつなのか忘れてしまったら元も子もないですから当然ですね。
私はこの復習のやり方を意識しはじめてから、カチカチにこのスパンに乗せない問題集などについても必ず日付を書き込むようになりました。
これが思わぬ副産物になりました。
900点を達成したければある程度の期間が必要になってきます(中には半年で900点を達成!なんていうツワモノもいるとは思いますが……)。
はじめてその問題集を解いたときの日付と正誤を正確に残しておくと、後になってこれが効いてきます。
つまり、自分がどのくらい成長しているのか(あるいは場合によっては退化しているのか)が正確にわかるようになり学習の進捗をはかるのにとても有効になります。
特に『公式問題集』です。
以前、『公式問題集』の使い方を記事にしましたが、最新の問題集を解いた「初回の正解数」というのは自分の今の実力をほぼ正確に把握できる貴重な資料になります。
『公式問題集』の2回分のテストで何問取れているのかという数字は、例えば、本番の試験を受けたときの点数で比較するよりも自分の現在地をつかむのによりふさわしかったりもします。
本番は具体的に何問正解できたのかはわかりませんね。
そして当然自分がどの問題を間違えたのかもわかりません。
あてずっぽうで答えた問題がどれだけ正解していたのか、自信をもって答えた問題が本当に正解したのかも、わかりません。
『公式問題集』を使えばそれが正確に把握できるようになります。
さらに以前の記事で書いたようにその正解数をほぼ正確に点数に置き換えることもできるので(点数換算表のことではありません。念のため)、なおさら自分の正確な立ち位置を見極めるのに適しているということになります。
こういうことを考えると、ここ数年のうちにやった『公式問題集』の得点数を見比べれば自分の成長(あるいは退行)がほぼ正確にわかるはずですね。
昨年解いた公式問題集と今年出た2冊の問題集の出来をくらべれば勉強の仕方の点検にもなります。
はっきりと成長がわかれば、その勉強を引き続き継続すればいいということになります。
反対に数年前の成績と今の成績が対して変わらなければ勉強に向き合う気持ちなのか、勉強の仕方なのかに問題があったということになります。
他の問題集なり単語帳でもなんでもいいですが、「西暦」から記録に残しておくと本当に何が定着していて、何が定着していないのかがよくわかります。
復習が足りない箇所というのが見えてくるんですね。
復習のタイミングをはかるために日付が必須ですが、そのことが癖になったとき思わぬ発見がありました。
私が一番点数が伸びた時期は動機がはっきりしていたとき
復習の時期について確認できたので、次は具体的な復習の仕方に進もうと思いますが、その前に1点だけ触れておこうと思います。
それは、私自身の経験から、
点数が一番伸びるときは、動機がはっきりしているとき
だということです。
私は、当時勤めていた会社で730点が必須になったので、TOEICの勉強をはじめました。
(このブログではくどいほど触れてきましたね)
海外からの観光客目当ての部署に異動になり、英語が必要なので、目安としてその点数が求められたわけです。
しかも、社内で微妙な立場だった私はそのとき、半年で730点を超えなければ事実上「クビ」だと言われてしまいました。
その会社に長居することは考えていませんでしたが、6か月で放り出されることになれば明日のパンにも困ることになってしまいます。
こう宣告されたことがそれまで経験したことのないようなやる気につながりました。
とにかく仕事をしている以外の時間(実は残業している最中でも人が周りにいなければ英語を聴いたりもしました)はすべて英語に充てていましたし、空いた時間は1秒でもおろそかにしないという熱がありました。
当時は終電で帰れればマシという悪条件のど真ん中です。
普通で考えればそのまま撃沈してもおかしくありません。
それが、結果として半年で、750点まで点数を上げることができました。
半年前の点数は400点です。
6か月で350点アップしたわけですね。
その後、比較的時間が取れるようになったにも関わらず、それ以上の点のあがりを経験したことがありません。
(そもそも、990点が満点なので、あがりようがないというのはもちろんありますが)
750点から800点をあげるのに正直に告白すればなんとその後1年かかりました。
800点を超えてから900点に乗せるまでにはコロナ禍の中断を含めると2年かかりました。
だから400点から900点を超えるまでだいたい3年半ですね。
動機がはっきりしていたときの点数のあがりがいかに驚異的かよくわかると思います。
自分の点数遍歴を話していったい何がいいたいのかというと、真剣になっているときに一番点数があがるのなら、そういう真剣にならざるを得ない状況を自分でつくってしまう、というのも手なのではないかということです。
例えば本は所蔵しておくものですが、捨てることを前提にしていると身の入り方が違います。
実際私はすでに自宅の本棚は満杯の状態なので、捨てる前提で紙の本を買ったりします。
(Kindle Unlimitedを使うと自然とこの捨てる前提が身につきます。詳しくはこちらからどうぞ!)
問題集だって捨てるという前提であれば、熱の入れ方が違ってくるはずですね。
そんなことを前提にして問題集を買うやつはいないという声が聞こえてきそうですが、私は補助教材にしていたものは捨ててしまったものが実は結構あります。
そのとき、いつまでに捨てると、捨てる時期を先に決めてしまいます。
いつまでに捨てると決まっていれば、そこまで少なくとも5周はしてやる、などという風にもなります。
そうなると何があってもそのスパンでやるようになりますし、また学習への熱も変わってきます。
今回復習の仕方云々をテーマにしているのにも関わらず身も蓋もないことを言ってしまうと、方法の細かい部分よりも真剣にならざるを得ない状況に自分を置くことのほうがはるかに重要だったりするわけです。
つまらないことかもしれませんが、私が細部にもいろいろと工夫をしているという一つの例として触れてみました。
なお、この本を捨てるというのは、中学生のとき担任から繰り返し聞かされた田中角栄のエピソードと仕事で必要になって読んだ『アメリカよ! あめりかよ!』(落合信彦著)という本からアイデアを借りたものです。
田中角栄は広辞苑でも英和辞典でも六法全書でも1ページずつ破って持ち歩き、暗記したら捨てるということを日常的に行っていたそうです。
田中角栄は小学校卒という学歴のない総理大臣として有名ですね。
それにも関わらず官僚が舌を巻くくらい法律を熟知していたといいます。
その知識の蓄え方が本を切って捨ててしまうというやり方だったわけです。
私の中学生の担任(3年間同じ人でした)はとにかくこのエピソードがお気に入りで、おかけで3年間ことあるごとにこの話を聞かされることになりました。
『アメリカよ! あめりかよ!』にはアメリカ留学の前に辞書を丸暗記して英語を覚えたというエピソードが載っています。
しかも毎日見開きを捨てるということを決めて実行していたそうです。
毎日捨てることが決まっていればそれは真剣になりますね。
目的は効率的な方法に勝るという好例だと思います。
『公式問題集』はこうやって復習しています
復習の時期を確認して、真剣になる環境が大事だという私の無駄話も済んだので(自分ではけっして無駄だとは思っていませんが……)、『公式問題集』を例に具体的な使い方・復習の仕方に最後は触れてみたいと思います。
だいたい次のようなスケジュールで毎回解いています。
●本番同様に問題を解く
※リーディングで制限時間が過ぎた場合は塗り絵をしません
※余らした問題はいったんそのまま放置します
※リスニングとリーディングは違う日に解いています
●正解数だけ確認して、2~3週間程度放置する
●2~3週間たったらもう一度解く
※再度余らせてしまったらこのときに時間外で解いておきます
●ひたすら復習する
※特に間違えた文法、知らなかった単語は池谷裕二式で制圧します
●3か月あるいは6か月おいてもう一度本番同様に解く
今回のテーマである「復習」について掘り下げると、ポイントは3つあります。
●単語、文法ともに答えに関係があろうとなかろうとすべてチャックする
●初めて見る単語、2つ以上の頻出の意味がある単語は常に英英辞典で調べる
●重要な単語、文法は必ず文脈に落として覚える
という3つです。
まず公式問題集に出てきた文法、単語については、それが答えに関係あろうとなかろうと、すべてチャックの対象としています。
チャックの対象としているというのは暗記の対象としているということです。
例外的に表に出てくる花の名前などは放置することがありますが、リスニングもリーディングも顕微鏡をのぞくように細かい部分まで見て、自分のものにしていきます。
はじめて見る単語、2つ以上頻出の意味がある単語に関しては必ず辞書を引いています。
(私の場合は『Collins cobuild Advanced Learner’s』という英英辞典を使っています。この辞書は同義語の掲載も豊富でとてもTOEICに向いています)
英英辞典については必要ないという意見もあるとは思いますが、私の場合は800点後半をとってからは常用しています。
これは、単語の中心的な意味を一番把握しやすいのが『Collins cobuild Advanced Learner’s』だからです。
その単語の中心をとっておけば、極端な話、あとは文脈に聞けばいいということが可能となります。
日本語の訳ではなく、英語の説明にもとづいたイメージで単語をつかんでおくと後はその文脈で「自然になる意味」を自分で当てればいいからです。
単語の意味が10個あったとして、10個丸々覚える必要などどこにもないわけですね。
中心をとって後は文脈に教えてもらう。
これが最も効率のいいやり方です。
そして、自分が最適だと思うイメージに関しては、辞書の例文や『公式問題集』に出てくる文章ではなく、自分の心に触れた文章の中に落とし込むということをしています。
これが
重要な単語、文法は必ず文脈に落として覚える
ことの意味です。
私は750点になるまで常に英語を聴いて英語力をあげてきました。
聴く素材の中心は自分が影響を受けた小説や映画、ドラマです。
そうした心に響いた文章のなかにTOEICで重要な単語や文法を落とし込んで覚えています。
『公式問題集』の文章が面白いと思ったらそれでもよいとは思います。
ただし、高校生を超えたあたりからは丸暗記のような強引なやり方は通じなくなり、エピソード記憶が優勢になってくることがわかっているので(『受験脳の作り方』(池谷裕二著)参照)心に触れた文脈を使うことはとても大切です。
年齢にあった最適な暗記方法という意味でもエピソードで記憶することが定着の近道だと言えます。
シャドーイングをやり出したのは900点をこえてから
リスニングの復習についても触れておきましょう。
必ず紹介されるのがシャドーイング(ワンテンポ遅れて音声を追いかけること)とかオーバーラッピング(流れる音声に自分の声を重ねること)ですね。
英語を口に出すというやり方です。
今は少しずつ取り入れるようにしていますが、実はシャドーイングやオーバーラッピングはTOEIC900点を超えるまでやったことがありませんでした。
(こういう風に言うと本当に驚かれるのですが、ほとんど家で勉強できる環境になかったので、したくてもできなかったという言い方のほうが近いかもしれません)
私の場合は英語を声に出すことなく、しかも正確に発音できるかも怪しいにも関わらず900点を超えたということになります。
ちなみにリスニングの点数は最高が480点(2019年と2020年に1回ずつ、合計2回とりました)、2019年以降リスニングが460点以下になったことがありません。
よく正確に発音できなければ聞き取ることができないと言いますね。
ただしそれはまったくの嘘です。
ひと昔前アメリカでもっとも英語がうまい外国人と称されていた人が誰だか知っていますか?
あのソニーの創業者の一人である盛田昭夫さんです。
話しているところをyoutubeで観ることができますが、LとRの区別がほとんどない完全なジャパニーズイングリッシュです。
確かに相手にとっては聞きとりにくいということはあるでしょう。
ただし、本人が聞こえていなければ(英語を理解できていなければ)応答なんてできませんね。
正確に発音できなくても聞こえます。
盛田昭夫さんの例からも言えるし、私自身の経験からも言えます。
私の場合は声に出す代わりに文法や単語をチェックしたものに関しては、ひたすら聴きこむということをしました。
普通に頭から流していると途中で意識が切れてしまうことがほとんどなので、いろいろなところが頭出しされるように、ランダム機能を使って聴くことも多くあります。
このとき注意しているのは、人間の関係を聴き込むということです。
(これもこのブログでは何度も触れてきましたね)
意味というのは人間の関係のなかにしかありませんね。
関係が違えば意味が違ってきます。
だから意味を取るというのは私のなかで人間の関係をひたすらストックすることです。
TOEICにはTOEIC特有の人間関係があります。
この人間関係をひたすらストックすることはまず間違いなく点数に結びつきます。
オーバーラッピングやシャドーイングができる環境にないのであれば、復習したところを何度も聴き返すだけでも必ず効果があります。
英語に触れる量を純粋に増やすという意味でもぜひ空いている耳を活用してみてください。
●900点を超えるまでは英語を声に出さなかった
●ただし、ひたすら聴きこむということをした
●聴く際には特に人間の「関係」をストックするつもりで聴いた
だいたいこれがリスニング復習の要点になります。
復習の時期、単語、文法の勉強の仕方とともに参考にしてみてください。

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