“Infighting wastes time, Mr.Crawford. You sent a green recruit to Lecter with a phony offer. I can do better than that. Dr.Chilton says Lecter’s capable of responding to a straight offer and I’m giving him one― no red tape, no personalities, no questions of credit”.
縄張り争いは時間の浪費だわ、ミスタークロフォード。あなたは訓練生をレクターの所へ行かせて虚偽の条件を提示させたわ。私にはそれよりもっとましなことができます。チルトン博士の話では、レクターは正直な提案に応じる、ということだし、私はそのような提案をします。役所の面倒な手続きはなく、個人的な好悪もなく、疑いようのない提案を。
THOMAS HARRIS THE SILENCE OF THE LAMBS
こんにちは高橋です。
今日は、いつもの「その日本語、英語ではこんな意味もあります!」の番外編として「レッドテープred tape」を取り上げてみたいと思います。
まず「レッドテープ」なら、初めに思い浮かぶのは当然「赤いテープ」ですよね。
ちょっと時代が古い人(失礼!)だったら不良用語として流通した「赤テープ」を想像される方もいらっしゃるかもしれません。
英語とは関係ありませんが念のため説明しておくと「赤テープ」というのは学生かばんに「ケンカを売ります(買います)」という意志表示をするためにまかれた赤いテープのことです。
70年代から80年代に不良(いわゆるツッパリ!ですね)の間で流通した用語で「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」という横浜銀蠅の歌詞に出てきます。
そもそも私は横浜銀蠅も名前くらいしか知りませんでしたが、以前仕事をしたことがある、やたらとうんちくが多い広告代理店の営業マンにこのことを教えてもらいました。
ちなみにその人は元ツッパリ!でもなんでもなく、いじめられっ子だったそうです。(完全に無駄な情報です)。
とにかく、「レッドテープ」と聞いて「赤いテープ」を思い浮かべていただいたと仮定して英語の意味はどうなっているのか、です。
小説の中にこの言葉が登場するので、いつものように引用してみましょう。
今日は『羊たちの沈黙』からです。
娘が誘拐された上院議員がレクターに面会する直前の場面から取ってみました。
上院議員はFBIのジャック・クロフォード(スターリングの上司)に話しかけています。(映画ではカットされているシーンです)
“Infighting wastes time, Mr.Crawford. You sent a green recruit to Lecter with a phony offer. I can do better than that. Dr.Chilton says Lecter’s capable of responding to a straight offer and I’m giving him one― no red tape, no personalities, no questions of credit”.
縄張り争いは時間の浪費だわ、ミスタークロフォード。あなたは訓練生をレクターの所へ行かせて虚偽の条件を提示させたわ。私にはそれよりもっとましなことができます。チルトン博士の話では、レクターは正直な提案に応じる、ということだし、私はそのような提案をします。役所の面倒な手続きはなく、個人的な好悪もなく、疑いようのない提案を。
※日本語は菊池光訳を参考にしました
「red tape」が面白い意味になっていますね。
ここでは「役所の面倒な続き」としてありますが、「官僚主義」「役所仕事」ともいいかえることができる言葉です。
辞書(collins cobuild)にも聞いてみましょう。
You refer to official rules and procedures as red tape when they seem unnecessary and cause delay.
「公的なルールや手続きが、必要ない、または遅れの原因となっている」ときに「red tape」と言えるということですね。
この「red tape」はほとんど使われない単語かといえばそうでもなく『コロンボ』(『古畑任三郎』の元ネタです!)の『殺人処方箋』にもこの言葉が出てきます。
殺したと思った妻が生きており、意識があるかどうかヤキモキしている犯人(この人も医者です)が病院の受付でこう漏らすシーンがあります。
―Hospital red tape.
これは、妻に会いたいと伝えたあと「現在危篤状態にあるので、会わせることはできない」と断られたことをうけての台詞になります。
「病院の官僚主義だ」という感じですね。
今日は、番外編として「red tape」を紹介しました。
あなたの頭に残っているのが不良の方の「赤いテープ」ではないといいのですが。
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