aのあるなしで人数まで変わる? 改めて冠詞について 冠詞その6

高橋
こんにちは。高橋です。今まで「a」と「the」の違いからはじまって5回も冠詞を取り上げてきましたが、別の角度からまたいじってみたいと思います。今日はカート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』の文章を借りています。それではいってみましょう!

「a(an)」の有無で物の数が変わる?

ウィッキー三世
また、冠詞ですか?
乱三世
今日は、カート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』の一文とその文章に「a」を足したものを持ってきたから、さっそくこれを見てみよう。訳はつけていないので、それぞれどういう意味になるか考えてほしい。
 
 

He was unarmed save for a black and gold swaggerstick one foot long.
※swaggerstick将校などが持ち歩く短いステッキ
※save for ~をのぞいて
※one foot long 1フィートの

 
 

He was unarmed save for a black and a gold swaggerstick one foot long.

 
 

乱三世
難しい単語には全部日本語を書いたから訳には困らないと思うけどどう? 上がカート・ヴォネガットの原文になる。
ウィッキー三世
「gold」の前の「a」のあるなしで意味が変わるということですか。
乱三世
そう。何がポイントなのかというと、上の文章と下の文章では持っている将校用のステッキの本数が違うということなんだな。上のカート・ヴォネガットの文章はどう訳す? ステッキの本数と一緒に教えて。
ウィッキー三世
「He was unarmed save for a black and gold swaggerstick one foot long.」で「長さ1フィートの黒と金の将校用ステッキのほかは武器を持っていなかった。」ということですよね? 
乱三世
そうなるとステッキを何本持っていたの?
ウィッキー三世
1本ですね。
乱三世
そう。では「He was unarmed save for a black and a gold swaggerstick one foot long.」と「gold」の前に「a」がある形になるとどうなる?
ウィッキー三世
ということは、ステッキが2本になるということですか。
乱三世
「He was unarmed save for a black and a gold swaggerstick one foot long.」で訳としてはさっきと同じ「長さ1フィートの黒と金の将校用ステッキのほかは武器を持っていなかった。」でも通用するわけ。ただし厳密に言うと、ちょっと違うということになる。
ウィッキー三世
つまり「gold」の前に「a」が付くと「黒いステッキ」と「金のステッキ」の2本を持っていた、という意味になるということですか。
乱三世
そう。正確を期すとすれば、「黒の将校用のステッキと長さ1フィートの金の将校用ステッキの2本のほかは武器を持っていなかった。」となるということだな。「a black (swaggerstick) and a gold swaggerstick」というのが正確だけど、英語は繰り返しを嫌うから単に「a black and a gold swaggerstick」とするということだ。

 
 

He was unarmed save for a black and gold swaggerstick one foot long.
「長さ1フィートの黒と金の将校用ステッキのほかは武器を持っていなかった。」
→1本のステッキに黒と金の色がついている
 
 

He was unarmed save for a black and a gold swaggerstick one foot long.
「黒の将校用のステッキと長さ1フィートの金の将校用ステッキの2本のほかは武器を持っていなかった。」
→黒いステッキと金のステッキという意味になる

※swaggerstick将校などが持ち歩く短いステッキ
※save for ~をのぞいて
※one foot long 1フィートの

 
 

ウィッキー三世
そもそもなんでこういうものをとりあげたんですか?
乱三世
このカート・ヴォネガットの文章の英文の意味をすぐには正確につかめなかったからだな。
ウィッキー三世
まさに今日説明していることがわからなかったということですか?
乱三世
「He was unarmed save for a black and gold swaggerstick one foot long.」というのが「黒と金の色が入ったステッキ1本」なのか、「黒のステッキと金のステッキ2本」のことなのかしばらく考えてしまったということだ。
ウィッキー三世
冠詞を考えることでそれがはっきりするということになると。
乱三世
そう。「a(an)」だったら同じカテゴリーに属する任意の一つを指すということなんだから、「a(an)」のあるなしで意味と数が変わってくるというのは当然なことのわけだ。ステッキだったら1本だろが2本だろうがなんともないけど、猫の数が変われば今日言っていることの「意図」がよりわかると思う。
ウィッキー三世
a black and gold cat」だったら「黒と金の2色の猫」でa black and a gold cat」だったら「黒い猫と金の猫の2匹」ということになるわけですね。
乱三世
「gold」が非現実的なら「white」でももちろんいいわけ。
ウィッキー三世
一匹の猫の色が黒と白なのか、それとも黒い猫と白い猫の二匹なのかでは全然違いますね。

人数も変わってくる?

乱三世
そもそも「a(an)」っていうのはどういう意味だったのかもう一度言ってみて。
ウィッキー三世
同じ種類に属するものの中の任意の一つだということですよね。例えばリンゴだったらリンゴという種類のなかの任意の一つとなるわけですよね。
乱三世
そう。ちなみに「the」っていうのは何?
ウィッキー三世
ある特定の一つを指すわけですね。基本的には話し手と受け手の間で共通の理解が存在する場合に使うんでした。
乱三世
だから「the bag」としてあれば、すでにその「bag」というのは受け手がどの「bag」のことなのかわかっているということが必要になってくるわけだ。こういうことを考えると何の前提もなしに「my friend」とするのは違和感が残るということにもなるわけだな。
ウィッキー三世
つまり「my」という定冠詞相当句をいきなり使えばだからその友達っていうのはどの友達なんだ?となると。
乱三世
そう。冠詞っていうのは日本語に訳されることがまずないから日本人からすると一番とっつきにくいものになると思う。以前「name」というTOEICでは結構重要になる多義語を取り上げたのを覚えている?
ウィッキー三世
「name」で「指名する」と動詞になる意味があるんでしたね。
乱三世
ほかにも「You name it」の意味を説明するために『風の歌を聴け』(村上春樹)の文章を引用したわけだけど、これをもう一度引っ張ってみよう。
 
 
“I can watch all day long when I’ve got the time. You name it, I watch it. Yesterday, I saw a debate between a biologist and a chemist. Did you catch that one?”
私なんて暇さえあれば一日中でも見てるわ。何もかもよ。昨日はね、生物学者と化学者の討論会を見たわ。あなたも見た?
 
 

乱三世
一応復習で「You name it」っていうのはどういう意味だった?
ウィッキー三世
「なんでも」「どんなものでも」という意味になるわけですね。広範な物事を話していると示すときにリストの前とか後につけるとうことでした。
乱三世
だから「なんでも」となるということだな。で、今日はこの文章の「I saw a debate between a biologist and a chemist.」の部分だな。これを例えば「I saw a biologist and a chemist.」と言ったらどういう意味になる?
ウィッキー三世
それは当然「化学者と生物学者を見た」ということですね。
乱三世
ではこれを「I saw a biologist and chemist.」と言ったらどうなる?
ウィッキー三世
それは「化学者でもあり生物学者である人物を見た」ということです。
乱三世
つまり、二人の人物を見たのではなくて、一人の人間を見たということになるんだな。その人物の属性を言っているということになるわけだ。これはもう慣れるしかないけど、意外に盲点になっているはずだ。
ウィッキー三世
冠詞というのは単なるお飾りではない、というのを特に意識する必要があるということになりますかね。今日は。
乱三世
冠詞についてはこれからまた何度も取り上げることになると思う。今日はこれでおしまい!

 
 

ポイント!
●「a black and gold swaggerstick」→1本のステッキに黒と金の色がついている意味
●「a black and a gold swaggerstick」は「a black (swaggerstick) and a gold swaggerstick」。黒のステッキと金のステッキの2本の意味
 
 

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高橋
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●追伸

高橋
『タイタンの妖女』は爆笑問題の事務所の由来になった小説です。太田光がこの小説の大ファンで独立するときに借用したそうです。カート・ヴォネガットの小説のなかでは一番読みにくいものの一つではないかと思いますが、読了後には不思議な余韻を味わうことになります。お試しあれ~。

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